【2022トーナメント】専修大が18年ぶり2度目の栄冠に輝く(決勝・2022.5.8)

2022関東トーナメント
笑顔で集まる専修大の面々。あと一歩を乗り越えた大きな勝利となった。

第71回関東大学バスケットボール選手権大会が最終日を迎え、決勝で専修大と白鴎大が対戦。互いに激しいディフェンスの応酬となる中で専修大が勝機を掴み、18年ぶり2度目の栄冠を掴んだ。

【決勝】専修大がディフェンスで白鷗大を封じ18年ぶりの春の王者に

決勝では初の顔合わせとなった両者、前半は接戦となった。立ち上がりは専修大が押し、速攻、オフェンスリバウンドなどで優位に立つ。白鷗大はターンオーバーが続き攻撃がうまく回らず、#25ジョエル(1年・C・大分舞鶴)が早々に2ファウルと痛い展開に。しかし交代した#45シソコ(3年・C)が内外で得点して徐々に落ち着きと取り戻す。2Qもその勢いで#71嘉数(3年・C)のスリー、#78佐藤(1年・PG・福岡第一)のジャンパーなども出始めるとわずかにリード。専修大も#35久原(4年・SG)の1対1からのシュート、#13クベマ(3年・C)のオフェンスリバウンドの強さが際立ち、26-29と僅差で前半終了。

3Qが試合の鍵になった。互いに守り合う状況で白鷗大がリードしたまま5分が経過。しかし白鷗大の攻撃が次第に重くなるのと反対に、専修大は#44米山(3年・PF)、#16淺野(2年・PF)の連続スリーポイントが決まり逆転。白鷗大が攻撃チャンスを活かせないでいるうちにさらにこの2人で得点を重ね、最後は#11赤嶺(3年・PG)のスリーポイントが決まると、48-38と10点のリードに成功して最終Qへ。

巻き返したい白鷗大だが、ファウルも続き流れが生まれない。一方の専修大はゴール下では#13クベマが支配し、#33米山、#16淺野のスリーポイントも引き続き好調。流れを渡さずにゲームを進め、55-71。ディフェンス強者の白鷗大を破り、優勝の栄冠に輝いた。

互いに我慢の展開だったが、昨年からの得点源である#44米山、#13クベマに加え、今大会は#35久原、#16淺野がそこに加わった。ディフェンスでも終始声を出し、またオフェンスでも火がついた専修大は強かった。白鷗大は準決勝で好調だった#0関屋(4年・G)が押さえられた。

4年生がごっそり抜けた専修大。新たなスタートではディフェンスやリバウンドといった本来の基本に立ち戻り、我慢がそこに加わった。

【2022トーナメント】専修大学・白鴎大学記者会見

【3位決定戦】立ち上がりからリードした日本大が筑波大を下す

3位決定戦は日本大筑波大を終始リードする形となった。センター不在の筑波大に対し、日本大はインサイドで#12コンゴロー(2年・C)、#63クリバリ(3年・C)の2枚看板が強み。2Q以降になると日本大がゴール下の強さを活かして中心に引き離し、筑波大はスリーポイントに頼る形となった。大きく差はつかないが前半は内外から攻撃ができた日本大リードの37-31。

後半、#6野口(3年・SF)のスリーポイントを皮切りに、速攻が出始めた日本大が筑波大を引き離していった。筑波大は#28浅井英矢(2年・PF)、#31小川(2年・PG)、#21笹山(4年・SG)でつなぐが、外回りが中心。ゴール下で勝負できない苦しさから日本大の勢いを止めきれず、55-44と差が広がる。4Q 、スリーポイントで食い下がる筑波大に対し、日本大は持ち味の速攻、オフェンスリバウンドからの#12コンゴローのシュートで筑波大を寄せ付けず、79-52で日本大が3位、筑波大の4位が決まった。

日本大は準決勝では出せなかった速攻が出る、らしい試合。連覇はならなかったが、攻撃力とディフェンスへの意識も昨年同様変わらない。#3米須(2年・PG)の復帰が期待される新人戦も楽しみだ。対する筑波大は大型ではあるが純粋なセンターがいないチーム状況で、ペイント内での勝負が少なく、リバウンドでも苦戦を強いられた。しかし優秀選手賞を受賞した#28浅井英矢、#13岩下(1年・PG・福大大濠)ら、下級生の活躍が光った大会だった。

昨年からの主力が多く残る日本大。昨年からのハードなディフェンスを引き継ぎ、3位に。

【5位決定戦】#4菊地が30点の活躍で山梨学院大を引き離す

この春もっとも躍進著しいチームといえる山梨学院大が、順位決定戦で大東文化大に挑むという構図になったが、中盤の時間帯は激しく競り合った。

1Qの大東文化大は#7高島(4年・SG)を中心に加点。一方の山梨学院大も守られつつも、終盤はスリーポイントが3本決まり、大きく点差が離れない。2Qの出足にはさらに#67武内(3年・SG)、#68高橋(3年・SF)のスリーポイントが続き、オフェンスリバウンド、また速攻なども出はじめ、残り2分には#0藤崎(1年・PG・日川)の速攻で逆転。大東文化大は#7高島、#4菊地(3年・SG)で返して36-37で前半を終える。

後半3Q立ち上がり、山梨学院大は#64山田(3年・PF)、#68高橋とスコアラーたちが切れずに得点を重ねシーソーゲームに。しかしここから3本のスリーポイントをはじめ#4菊地が奮起した大東文化大が、一気に10点以上差をつける。また、#4菊地は相手エースの#67武内を激しくマークし、ボールを持たせない。得点差を縮めさせなかった大東文化大が最後は突き放し、62-88

大東文化大は準々決勝で負けはしたが、上位は十分狙える存在。今大会のメンバーのほかにも、次は4年の#6中川、そしてルーキー#9田中も注目で、今年の層は厚い。新人戦、そして秋に向けて目が離せないチームの一つだ。

山梨学院大は現段階で今年に入って最も試合をこなしたチームとなった。3月に行われた延期開催の2021年度の新人戦では7試合、今大会では5試合と、ほぼ同じメンバーによる合計12試合で得られた経験は得難いものだ。翌月に控える2022年度の新人戦はメンバーが大きく変わるが、そこでも結果が出せるかに注目だ。

また、この対戦ではマッチアップした山梨学院大#67武内と、大東文化大#4菊地の個人賞の行方も見どころだったが、#4菊地がスリーポイント王、そして#67武内が得点王を分け合う結果となった。

3月の新人戦を制した大東文化大は、下級生に頼もしさが増した。

【7位決定戦】拓殖大が後半に中央大を突き放す

拓殖大中央大は、前半は点差のつかない状態。#24ユセフ(3年・C)が1Q早々に2ファウルになってしまった拓殖大は得点が伸びず、中央大に出足はリードされる。しかし、2Qに#24ユセフがコートに戻るとゴール下の強さを発揮し、持ち味の速い展開も出て#21須藤(3年・SG)の速攻も続くと、このQは14-8として前半は26-25の1点リードで終えた。

後半になると#24ユセフの高さ、また#42益子(4年・SF)の攻撃力が活きた。中央大はエースの#21渡部(4年・SF)のところが固くディフェンスされ、また#60蒔苗(3年・SF)のアウトサイドにもなかなかボールが渡らない。高さでも苦しみ、持ち味を活かせないままずるずると引き離され、3Qで16点のビハインド。優位に立った拓殖大が4Qも攻撃を仕掛け続け、70-57で試合終了となった。

拓殖大はアグレッシブに攻め続け、速攻、リバウンド、またディフェンスにも集中して後半に加速。中央大は得点源の一人である#28濱野(4年・SG)が13点で奮闘したが、残りの主力が守られてしまった。

拓殖大は昨年のトーナメントに引き続き、中央大を破った。
タイトルとURLをコピーしました