「リーグ戦はもう何年も五分という成績だったので、この大会は最低でもベスト4、インカレのシードは欲しいと思っていました。なので、3位は最高ではないけれど、まあまあの出来といえると思います」
8勝3敗の3位で大会を終えた網野監督は、リーグ戦の結果をそう評価する。「春から比べると成長したし頑張ったと思う」というが、粘り強い戦いぶりでいくつもの接戦を制し、4年生が安定して活躍、また控えの選手たちのパフォーマンスもトーナメントに比べて目立ったことからも頷ける部分が多い。
特に「ディフェンスの部分はプライドを持ってやろうといってきて、練習中からハードにやってくれた。それが一番良かったこと」と評価する。「守って走るというのが我々のやりたいバスケで、練習中から脚を使い、しっかりディフェンスをやってきた」というが、リーグ戦の11試合はディフェンスからリズムを作って流れを持ってきた試合が多く、ディフェンスで結果を出したリーグ戦といえるだろう。ちなみに、東海大・日本大・白鴎大の上位3チームは、失点を600点台に抑えている。
一方、課題もある。
「オフェンスでは、決め切れるシュートを落としてしまったゲームが多かったと思います。クロスゲームで勝ち切れた試合が多かったのは、もちろん評価できます。しかし、本来ちゃんと決めておくべきシュートを入れられていたら、もっと楽に勝っていただろうし、上位の2チームに勝つチャンスもあったと思います」
東海大とは終盤まで競り合ったが、得点が伸びず60-53、日本大戦では延長戦までもつれ込んだものの、62-59。どちらもあとわずか、という内容だったが、得点が伸びなかったことは確かだ。また、勝った試合でも網野監督のいうように、決めておくべきシュートを落としてしまう場面も目立った。網野監督はディフェンスにパワーを使う分、オフェンスに少し力が入りすぎているようだと分析するが、ディフェンス主体チームゆえのバランスの振り分けは難しい。オフェンスで作っているチームではないだけに、そうしたことをどう克服するかといったことが、この先はテーマになるだろう。
インカレにまでは約1ヶ月。大事なのはリフレッシュをさせつつ、モチベーション維持させることを意識する。
「リーグ戦で3位になったことで、満足をさせてはいけないと思います。今日も試合後に、一定の評価はできるけれど、課題もたくさんあるから、もっと高いレベルに行きたいなら課題を潰していかないといけないよ、と話しました。うまく身体を休ませつつ、上を目指すエネルギーをもう一度出せるよう、チームを作っていきたいと思います」
白鴎大にとっては2016年以来の3位シードでインカレに臨む。過去5年のインカレの結果は2016年と2020年が3位、2017年と2019年が4位と、ベスト4に安定して食い込んでいる。武器であるディフェンス力で、過去最高位の3位の壁を破れるかどうかが注目だ。