【2025関西リーグ1部】春の悔しさを晴らし天理大が全勝優勝

春は全関を京都産業大が制し、決勝で敗れた天理大が続く西日本インカレでも準優勝となった今年の関西。この秋のリーグ戦でも、春のタイトル争いを演じた2チームが覇権を巡り凌ぎを削った。

大会序盤は、春シーズンでトップ争いを繰り広げた京都産業大、天理大に加え同志社大が走る展開。第3週の直接対決2試合で同志社大が連敗すると、首位を京産大と天理大が競い、少し離れた3位を同志社大が維持する構図が終盤まで続くこととなった。

首位争いを演じる2チームの直接対決は大会10日目。前半は拮抗した展開だったが、3Qに天理大が引き離しに成功。焦る京産大に追い上げを許さず、17点差での勝利を決めてこの時点で優勝に大きく前進した。

その後はともに取りこぼすことなく迎えた最終日の直接対決でも、大量リードが必要な相手のオフェンスを上手く交わしながら落ち着いてゲームを進めた。ここでも勝った天理大が、14戦全勝でリーグタイトルを手にした。

天理大の大きな持ち味は、ベンチメンバーに変わっても遜色のない総合力、そしてディフェンス力と言っていい。代替わりはありつつも、前年の主力メンバーを維持しながらやりたいバスケットを継続して表現している。象徴的だったのは、全勝対決を制した翌週の2試合での#20駒田の欠場。キャプテンの不在でチームが動揺しかねないシチュエーションと言えたが、#16嶋本がそれをカバーした。

またリーグ戦を通じての一試合の平均失点は僅か58点強。関西ではそのディフェンス力が十二分に通用した。その決め手は何といってもそのディフェンス力と言えるだろう。#77 オルワペルミの聳えるインサイドは、連携良化により他チームへの脅威性がアップ。

京産大は、宇都宮という絶対的な存在が卒業した中で春の全関こそ制したが、その後のチーム力の上積み面は天理大が上を行った。「ここにかける想いは対戦していても伝わってきた。春に勝ったことで自信が慢心になってしまったのかも」と司令塔の#4片原は反省をのぞかせる。常にタイトル争いを演じるチームにあって、全員が勝ち続ける難しさを思い知らされたシーズンともなっただろう。

しかし、双方とも関西では頭ひとつ抜け出た存在。いずれもインカレではトーナメントからの出場となる。関東以外の地方勢では、近年は関西以外のチームの躍進も著しい。ベスト8、そしてその先へ向け、存在感を示せるか。

関西ではこのほか、大阪学院大、同志社大、近畿大、大阪産業大がリーグ6位以内となりインカレ出場を決めている。グループリーグから出場となるが、その難しい戦いを勝ち抜き、いずれも見据える打倒関東を虎視眈々と狙っていく。

【INTERVIEW】「このチームをまとめるのは自分しかいない」#20駒田彬人(天理大・4年・主将・PG)

Q.優勝おめでとうございます。今のお気持ちは。

「去年からずっと決勝で勝ちきれなくて、今年はジェリーが入ってきて周りからも期待の目があり優勝せなあかん、というプレッシャーもあった中で全関も西日本も準優勝という結果で、最後のリーグ戦、ここしかないというプレッシャーの中で夏もずっと鍛えてきて、それが全部報われたことで、今までのことが全部込み上げてきました」

Q.春に悔しい結果となり、夏に力を入れてきたことは。

「春はジェリーが入ったばかりで噛み合わない部分もあり、期間があればオフェンスでは噛み合ってくると思っていました。やはり自分たちの持ち味であるディフェンスのインテンシティやエナジーを上げるために、関東のチームや大阪エヴェッサ、神戸ストークスといったレベルの高いところとゲームをさせてもらって、その中でもディフェンスのスタンダードを上げるためにディフェンスにフォーカスしてやってきました」

Q.それが実を結んで、今大会のディフェンスは見事でした。

「そうですね。失点の数も断トツで少ない状態で来れましたし、京産という得点力の高い相手も自分たちのディフェンスで70点未満に抑えられたので、ディフェンスの良さはやっている身からしても実感できました」

Q.1巡目に京産大を倒した翌週2試合は欠場でしたがケガですか?

「日曜に京産と対戦する前日から痛い状態で、何とか京産戦までは持ち堪えたんですが、次の日の検査を受けて翌週は欠場する判断になりました。自分のせいで島本には3年生なのにしんどい思いをさせてしまったなと思います。あそこで嶋本が繋いでくれた分、最終週はやってやろうという気持ちでした」

Q.優勝ながらリーグ戦から見えた課題はありますか。

「ディフェンスでは良さが出たと思っていますけど、オフェンスで得点が伸びない時にボールマンが孤立してしまって、ボールが周らずに点数が伸びない時間が続くことがありました。良いディフェンスをしても点が取れないと勝てないと思うので、良いディフェンスをしてブレイクにつなげていくとか、そうしていかないとダメかなと思います」

Q.今日の最終戦は、大量点差の欲しい京産大相手に余裕を持って臨めているようでした。

「自分たちのディフェンスを楽しみながらやれば負けることはないという自信があったので、追い上げられても慌てずにベンチでも楽しもうと言い合っていました。そういうこともあって負ける気もしなくて、ずっと自信を保てていました」

Q.まだインカレがありますが、キャプテンとしてのご自身の自己評価はいかがですか。

「自分を褒めるわけじゃないですけど、このチームをまとめるのは自分しかいないかなって(笑)。数字には表れていないかもしれないけど、自分が不在の2試合はチームが苦しそうに見えたので、キャプテンとしての役割は全うできてきたのかなと思います」

Q.インカレに向けてどんな準備をしていきますか。

「インカレで関東を倒してベスト8に入って、その先の優勝を目指すということをシーズンの最初から掲げているので、このリーグ優勝は通過点です。これに満足せずにインカレに向けて切り替えて、もう一個ギアを上げて行きたいと思います」

「大事なところでみんなが繋いでくれた」#0中村洸輝(天理大・4年・PG)

Q.MVP受賞は想定されていましたか?

「いや、正直あんまり思ってなかったです(笑)」

Q.天理大の中でも得点力が持ち味かと思いますが、その点の出来栄えはいかがでしたか。

「タフショットが多かったんですけど、大事なところでみんながボールを繋いでくれて、そういう時に決められたと思うので、そこは良かったかなと思っています」

Q.優勝で終えての感想は。

「リーグが始まる前からチーム一丸で全勝優勝というのを目標に掲げて何ヶ月も練習してきたので、それを成し遂げられてほんまに嬉しいですね」

Q.優勝の要因は中村選手はどこにあると考えていますか。

「チームみんなでコミットして、ディフェンスにフォーカスしてやれたのがいちばんの理由かなと思います」

Q.今日に関してはどちらかというとオフェンス面で相手についていきました。

「ターンオーバーを減らしてグッドショットを増やすのがオフェンスのコンセプトです。それが出たのかなと思いますね」

Q.流れが悪い時でも工夫していることは。

「流れが悪い時でもエンジョイするというのをチームでも話していて、しんどい時間の時に『ここ楽しむぞ』とみんなで言っていたことが流れが悪くても乗り越えられたのかなと」

Q.春とは打って変わって京産大に2勝できたのは何が大きかったですか。

「ディフェンスの部分が大きかったと思います。春はジェリーが入ってきたばかりで、太田とオーギルにやられてしまいましたけど、ジェリーもディフェンスにベクトルを向けてやってくれたし、僕たち自身もディフェンスのチームとして完成度を上げられたのかなと思います」

Q.リーグ戦を通じて良かった点と課題は。

「良かったのはどの選手もオフェンス面での数字が一定以上だったと思うんですけど、よくない時間の時に自分たちで立て直すのに時間がかかるので、流れを断ち切れるようなプレーだったり、マインドを変えることだったりということは、これから取り組みたいです。どういう時に流れが悪くなるかはチーム全員が分かっていると思うので、そこをいかに乗り切れるかが大事です。チームで共通理解はできています」

Q.インカレでは何を目標にしていますか。

「関東だとサイズも大きくなるが、変わらずにディフェンスとブレイクを出すことを目指してやっていくだけです。ロースコアになると思うんですけど、しっかり勝ち切って上位に進みたいと思っています」

Q.インカレはありますが、この4年間はどんなものでしたか。

「最初の2年間はBチームにいて苦しい時間が多かったんですけど、その中でも3Pの練習をしたり、ピックの練習もしていったりで今の立ち位置になって。最終的には4年間楽しかったですね」

Q.天理大の良さはベンチメンバーでも力が落ちない点だと思いますが、プレーをしていてもそうした点は感じますか。

「そうですね。練習でスクリメージをする中でも、リザーブ中心のメンバーが勝つこともあるので選手層は厚いのかなと思います」

「個人ではなくチームの力で勝っていけた」#16嶋本昇大(天理大・3年・PG)

Q.この優勝の要因は何だと思っていますか。

「4回生が軸になってくれたのが大きいですし、練習中も4年生がリーダーシップを取ってくれて、僕たちがそれについていく形で良かったです。練習も緊張感を持って取り組めたので、それが実際の試合にも良い影響があったように感じます」

Q.ご自身がプレー面で意識していたことは。

「自分は攻撃型のガードなんですけど、ウイングもインサイドも得点が取れるので、そうした選手を活かすゲームメイクを意識していました。自分で得点することよりも、ゲームの流れを読みながらコントロールしていくことをリーグでは意識していました」

Q.駒田選手が不在の2試合は大変だったと思います。

「そうですね(笑)。でも日頃は自分が彬人さんに助けてもらっているので、今度は自分が助ける番かなと思って。信じてもらった分、頑張りました」

Q.あそこを乗り越えられたからこそ充実感も大きいのでは。

「はい、最高でした。彬人さんがいなくてもやれるんだということも証明できて、チーム状態も上がりましたし自信にもなりました。あの2試合から今日の試合に臨む中で、良いチームなんだと再認識できました」

Q.収穫と課題をそれぞれ挙げるとするなら?

「先ほども言ったように、個人の力ではなくチーム力で勝たせていけたことです。課題としてはシュートの正確性の部分。このリーグ戦はフローターとかが全然入らなかったので、もうちょっと決められたらチームももう少し楽になったのかなとは思います」

Q.インカレに向けて力を入れるべきことは。

「個人で突破できる力を少しでもつけることと、チームがしんどい時でも落ち着かせられるガードになっていきたいので、そういうことを乗り越えてインカレでは関東を倒すことで自分も更にレベルアップできるように頑張りたいと思います」

Q.シーズンを通じても今季は満足感が大きいのでは。

「西日本では悔し涙で終わった一方で、リーグをこういう形で終われたのは本当に嬉しいですし、4回生にも恩返しできたんじゃないかなと思います。すごく良いシーズンです」

Q.駒田選手の涙をどう見ましたか。

「しんどい思いをしているのは間近で見て分かっていました。僕もあの姿を見てうるうるしましたし(笑)、先輩のそういう姿はかっこいいですし、自分もこの先ああいう存在になっていきたいです」

「攻めるべきかパスか、リーグ戦を消化するにつれて自分の体、感覚で分かってきた」片原飛斗(京産大・3年・PG)

Q.全関とは異なる結果となってしまいました。

「一言で言うと率直に悔しいです。去年は陸さんというスペシャルなガードがいて、今年はいない中でオーギルさんとか太田とか、全員でやるバスケに切り替わった中で、僕がガードとして試合をまとめることを任されていて、陸さんのようにはできないにしても、自分が勝たせられるようには至らなかったということを、今日の最終戦に負けて思いました。それとともに、リーグ戦を通して得られたこともあったし、自分自身でも成長していることを感じられました。ダメなこともありつつ、そういうことを繰り返しながら、チームメイトを信じながらもやり続けられたというのが、成長部分かなと思います」

Q.結果として天理大に上回られたわけですが、春から逆転となってしまった原因は。

「全関で勝って、追われる立場になりつつも、メンタル的な部分で天理さんにやられてしまったように思います。戦術、戦略の部分ではなく。天理さんの意地というか、全関も西日本も2位に終わっていて、ここにかける思いというのは対戦していても伝わってきたものがありました。勝てなかったのはメンタルの部分かなと、2試合戦ってみて思いますね。追われる立場になって、その中でも勝てていったことで自信が慢心になってしまったのかなと思う部分があります。追われるチームはそこが難しいところだなと改めて感じますね」

Q.ご自身のプレーぶりはどのように受け止めていますか。

「僕自身、周りにパスを供給したり、自分で攻めたりする部分ですごく悩んできていました。パスを選択すればパスのことばかり考えたり、自分で攻めていく選択がよぎればそのことばかり考えてしまって、そういう塩梅がすごく難しかったです。そういう考えがリーグ戦に入った当初もあったんですけど、リーグ戦を消化するにつれて自分の体、感覚で分かっていくような感じがありました。来年オーギルさんがいなくなることで得点源が限られる中、自分で得点を取るべき場面というのが分かってきたのかなと思います。そこがすごく収穫でした」

Q.このままでは終われないはずです。まだインカレがあります。

「まずは自分たちの目標のベスト8、ベスト4を目指しつつ、ここで負けた天理よりも高い順位で終えたいです。関西2位では終われない意識をチーム全体で持って戦っていきたいです」

「嬉しい気持ちはあるが優勝したかったという悔しい気持ちも」#14植田碧羽(大阪学院大・4年・主将・SG)

「苦しい期間も長いリーグ戦だったが、こうして3位に入れてほっとした。4年生それぞれで責任感を持ちながら戦ってきたが、苦しい時期は責任感を分かっているからこそ自分でなんとかしようとし過ぎたと感じる。開幕の2連敗後に4回生だけでミーティングをして、1人で戦うのではなくチームとしてそれぞれがどんな役割をするのかを話し合いながら練習に取り組んでいった。

自分たちの持ち味は良いディフェンスからリバウンドを取ってブレイクにつなげていくこと。中盤からはそれができたと思う。そこに関してはずっと言い続けてきた。

リーグ3位ということで嬉しい気持ちはあるけれど、優勝したかったという悔しい気持ちもある。天理、京産に対しては、正直留学生の部分で苦しみ、そこが力が及ばなかった部分なのかなと思うが、それは言い訳にしかならない。そこを倒していかないと、関東のチームには勝てない。勝てるように練習の質を上げて取り組んでいく。

自分自身に関しては、今年は特にマークがきつくなる中でも得点を取らないといけない状況になったが、自力で得点できることを体現できるようになったと思う。そこは同じ4回生の白石と吉田がコンタクトを嫌がらずに積極的に中で戦ってくれたので、自分も積極的に打てた。感謝している」

「ラストイヤーでインカレに行けたので、過去3年間に対して悔いはない」#11谷口律(同志社大・4年・PG)

「めちゃくちゃ楽しいリーグ戦だった。中盤にケガで離脱した時期もあったが、みんながつないでくれて、感謝のリーグでもあった。

僕たちのバスケットであるアーリーと、3Pを思い切って打つことが上手くはまったと思う。あと同志社は選手層が厚いと思っているが、その強みを活かせていなかった。最初の4連勝は全員に万遍なくプレータイムがある中で一人ひとりが役割を果たせていた。

その直後に結果として上位に入った2チームに連敗となったが、点差は10点差だったが、その点差ほどの差はないと感じた。ゲームの内容も悪いものではなかったと思う。あの連戦の直前に負傷者が出ていたが、その不在があっても「やるぞ」という思いが溢れていた。それがあの内容になったように思う。両チームに2敗してしまったのであまり大きいことは言えないが、あまり力の差を感じなかったのが正直なところ。

僕が出ていることで成り立つ戦術もあり、それが使えずに歯車が狂った部分も感じるし、3回生中心のチームなので、コートに立つ4回生である自分は盛り立てようとアプローチしているが、そうした存在がいなかったことも白星を伸ばせなかったことにつながってしまったかもしれない。ただ他の4回生が引き上げてくれた部分もある。後半にかけて3勝上積みできたのは、彼らのおかげだと思う。

今年インカレ出場という結果が出たのは4回生の気持ちの強さが大きいと思う。3回生以下中心だからこそ、4回生がチームの軸になってあげて下級生に思い切ってやらせてあげるのがチームには良いと思っていたので、僅かなプレータイムでも4回生が役割を果たしたことと、去年のリーグ最終戦で大阪学院に負けてインカレに出られなかったことで、きつい時も『学院に負けたことを思い出せ』と言い続けてきた。それがこういう結果になったのかなと感じている。

入学前に思っていたイメージに対して、遥かに上手くいかなかった4年間だった(苦笑)。でも最高の同期に恵まれて、ケガで思うような結果は残せなかったが、ラストイヤーでインカレに行けたので、過去の3年間に対して悔いはない。やり切ったという思い。

このリーグの最初の4連勝は、失うものがないので『やるぞ』という思いが強かった。ずっと3位をキープできたことで中盤は気持ち的に引いたような部分もあったが、もう一度チャレンジャー精神を持って、同志社らしいアーリーと3Pで周りが見ていて気持ち良いバスケットがしたい。グループリーグを突破して最低でも関東の1チームは倒したいと思っている。

インカレ出場が決まって、SNSなどで自分が思っている以上に反響があって、DMとかレスで『インカレ見に行きます』というメッセージをたくさん頂いた。そういう方々の応援を直接受けられるので非常に楽しみだし、4年間応援して良かったなと思えてもらえるプレーをしたい」

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