早稲田大・日本大・青山学院大は100点ゲームで1回戦突破
男子は1回戦の最終日を迎え、4試合が行われた。この日は概ね差がつく試合が続いた。
チャレンジマッチで踏みとどまった早稲田大は松山大と対戦し、1Qから39得点を荒稼ぎ。その後はベンチメンバーも出場しつつ余裕の展開の中、100点ゲームで快勝。#7宮本(3年・CF)が怪我で大会を欠場になったが、その代わりに#8津田(3年・SF)が復帰。高い身体能力を持つ彼の復帰で、リバウンドでの厚みは増した。ベスト8のかかる次の対戦相手は日本大。ここ数年勝利していない相手だけに、この関門を超えられるかどうかが注目になる。ただし、オータムカップからチャレンジマッチと、今シーズン最も多くの試合をこなしたチームだけに、試合を重ねるにつれて調子が上がってきているところも感じられる。勝負の行方が楽しみだ。
日本大と岩手大の対戦は、得点板が急遽使えなくなり、20分のタイムロスに。岩手大は#14高橋(3年・PG)や#18相場(2年・C)が思い切って攻め、ディフェンスでもビッグマンを囲んでターンオーバーを奪うなど健闘。しかし日本大も#10杉本(4年・SG)、#11高原(3年・PG)のアウトサイドが決まり、ゴール下で怪我から復帰した#0シェイク(4年・C)が決めると、差が離れた。岩手大も粘り強く戦い、日本大からターンオーバーを奪う場面もあって60点台に乗せるが、日本大が119点と大量得点で試合終了。
東北学院大は早いトランジションを展開して青山学院大に挑んだ。サイズでは劣るものの、ボールによく絡み、立ち上がりから走って攻めた。今年は走るチームの青山学院大は次第に足、また高さを活かしてじわじわと差をつけていき、東北学院大は後半点が伸びずに試合終了。次戦、青山学院大は1回戦を不戦勝となった中央大学と対戦する。
インサイドは互角、スリーポイントで優位に立った日本体育大が京都産業大を下す
この日最注目の試合となったのが、最終戦の日本体育大と京都産業大のカードだ。互いに留学生を擁し、見ごたえのある試合展開が続いた。
日本体育大学は#50バム(3年・C)、#21クリスティン(2年・C)、そして京都産業大は#23サンブ(3年・C)とのマッチアップに注目が集まった。立ち上がりはその#23サンブがダンクを決め、気合いを見せる。虚を突かれた日本体育大学は序盤点を取り合うが、#24土居(4年・SF)、#28井手(3年・PG)のスリーポイントが連続して入ると勢いがつき、#21クリスティンの走力あるプレーも決まると競り合いから24-16と1Qはリードした。2Qも日本体育大のシュートが好調で#28井手、#23小川(1年・PG・福岡第一)で連続して入れると京都産業大を置き去りにする。しかし#10上田(3年・SF)の得点や、#34藤原(1年・PG・北陸学院)が走力を活かしたプレーを見せ、15点あった点差を7点にまで縮める。しかし速攻やダンクが決まった日本体育大が42-32と10点差にして前半終了。
3Q、序盤にまたしても#28井手の3Pが決まり好調を持続。京都産業大はゾーンで対抗し、ターンオーバーを狙っていく。外が好調な日本体育大が依然有利ではあるものの、#34藤原がボールを奪って前にパスを飛ばし、早い攻撃につなげて10点前後からは引き離されはしないが、それ以上に点差が縮められない。4Q、日本体育大はここまでファウルを我慢していたインサイド陣が立て続けに笛を吹かれてしまう。その間に#23サンブのバスケットカウント、#35横山(3年・PF)のスティールからの速攻など京都産業大が食い下がる。しかしこちらも#23サンブにファウルが続き、残り時間わずかとはいえ両者がファウルトラブルになる場面も。最後まで互いにやり合い、88-78で試合終了。日本体育大が勝利し、次の近畿大戦に進んだ。
日本体育大学は#21クリスティンが20点16リバウンド、#50バムが18点、チームリバウンドは45。京都産業大は#23サンブがフル出場で30点20リバウンド、チーム合計は43リバウンドと、この対決には大きな差はなく互角。その一方、スリーポイントは日本体育大学が9本沈めたのに対し、京都産業大が2本と、この差が数字に出てきた。しかし速攻では日本体育大に劣らず、#34藤原はスティール6、とルーキーが生き生きと活躍。この先期待できる部分も見られた試合だった。
【日本体育大INTERVIEW】「相手よりも、自分がやるべきことをやるだけ」◆#28井手拓実(3年・PG)
スリーポイント5本で23得点と爆発。得点を牽引して試合を有利に持ち込んだ。気持ちの見えるプレーはチームを盛り上げるポイントだ。しかしあくまで集中するのは自分。次を見てただ己と戦うのみだ。
ー今日はすごくいい活躍でした。
「調子は良かったです。今年の4年生とは仲も良くて、絶対勝たせてあげたいという気持ちがみんなよりも強くあるので、そこは気合が入っていました」
ー京都産業大がゾーンを敷いてきた時に、井手選手のスリーポイントが入ったことが大きかったと思います。
「京都産業大のゾーンは、キャップが下がっているというのはスカウティング情報で上がってきていました。インサイドで攻めようかなというのもあったんですが、自分は逆にそこを狙って行こうと思っていて、その狙い通りに打てて入ったかなと思います」
ー京都産業大のガードたちも速い選手がたくさんいましたが、その対応には問題がなかったですか?
「自分は相手がどうこうというのはなるべく考えないようにしていたので、あまり気にはならなかったです」
ー今年はメインカードとして重要な役目ですが、プレッシャーはありますか?
「それは全然なくて、自分がやることをやるだけだと思っています」
ー次の近畿大も関西の強いチームです。
「パトリックのところを起点に攻めてくると思うので、その守り方が大事です。そこをいかにバムとクリスが攻めて、ファウルをもらえるかがカギになってくると思います」
【日本体育大INTERVIEW】「勝ちたい気持ちが強かった」◆#21モンゾンボ クリスティン(2年・C)
最後にはファウルアウトしてしまったが、内外の得点、リバウンドでバムとともにサンブと見ごたえあるマッチアップを見せた。次は近畿大と、また関西の強豪校との対戦になり、インサイドが一つのポイントとなり、見せ場は続く。
ー試合を振り返って。サンブ選手とのマッチアップも見どころでした。
「勝ちたい気持ちが強かった。この後もどんどんやれると思う。サンブ選手のマッチアップは、私は交代ができます。でもあっちはできないですよね。私は楽しかったです」
ーオータムカップの怪我はもう影響がないですか?
「はい。ストレッチしたりケアを行ってきて、今はもう元気になってやれています」
ーインサイドもミドルシュートも今日は幅広く決めましたね。
「私のプレーはもともとインサイドではなくて、外でもできるので。だから外のシュートも打っていきました」
ー終盤はちょっとファイルが続いて最後はファウルアウトになってしまいましたけれども、集中力が切れましたか?
「バスケットではファウルは当たり前。気をつけてはいるけどディフェンスもやらなくてはいけないから、そこは仕方がないです」
ー明日は近畿大のパトリック選手との対戦になりますね。
「やはり勝ちたい気持ちを強く持っています。私はパトリックのプレーは結構分かります。どう守ればいいか、どうオフェンスすればいいか、それは分かるから大丈夫だと思います」
ー今日は最後にサンブ選手と喋っていましたね。
「5ファウルしたときにあっちにバイバイと言われたんです(笑)。仲がいいから最後はハグしていました」
【京都産業大INTERVIEW】「相手にどうファウルさせるか、考えながらやっていた」◆#23サンブ アンドレ(3年・C)
留学生の中でもこの3年の成長ぶりは目を見張るものがある。細身で機動力が高く、また替えのいないポジションゆえに極力ファウルもしないよう頭を使ったプレーは冷静だ。ただ、1年時は早稲田大に延長戦で5点差、昨年は大東文化大相手に5点差とここまでいずれも惜敗。関東の壁を突破できなかった悔しさが見える。しかしここまで関東に肉薄できている地方校は他にそうはいない。彼にとってのインカレはあと1回、再度のチャレンジに期待したい。
ー頑張りましたがあと少し届きませんでした。
「自分たちの足りないところをたくさん見つけました。今年も一昨年のように一回戦で負けてしまって…それを克服するため、来シーズンのためにまた頑張っていきたいと思います」
ー今日出た課題はどんなところですか?
「チームとしての課題は結構あったと思います。みんなでディフェンスからいいオフェンスにつなぐこととか、トランジションをすることとか、たくさんの課題が出ました。明日京都に帰って、また来シーズンに向けての練習をして、強い京産になりたいと思う」
ークリスティン選手とバム選手はタイプも違うし、両方守るの大変ではなかったですか?
「そんなことはあまり思ってなかったです。センターはチームで一人なので、向こうはファウルが10回できるけど、僕は5回しかできません。そこでどうやって頭を使って、相手にどれだけファウルを使わせるかを考えてやっていました。残念ながら最後は10点差で負けてしまっいましたが。来シーズンはどうやっていけば勝てるのかをもっと追求していきたいと思います」
ー最後クリスティン選手とすごく話していましたね。
「試合中は敵なんだけど、試合が終わると友達に戻ります。試合の中ではバチバチで喧嘩している感じだけど試合が終わると家族のような存在です」
ー話は変わりますが、1年生の藤原選手(#34)は今日とても良かったと思います。リーグ戦ではあまり出てなかったように思いますが?
「リーグ戦はあまり出ていません。でも練習から結構頑張っていて、スタメンの北條選手(#90)ともやりあっていました。来年はもっと成長していると思います」
―サンブ選手を含め、期待しています。お疲れ様でした。