【インカレ2020】72回目のインカレが開幕・代々木への帰還とニューノーマルな形の運営で安全に配慮

2020インカレ

感染対策を施した大会運営に尽力

第72回目となる全日本大学バスケットボール選手権大会が7日、男女ともに幕を開けた。国立競技場代々木第二体育館と大田区総合体育館を舞台に、13日まで熱戦が展開される。

今大会は新型コロナウイルス流行の第三波が訪れる中で関係各所の尽力の末、開催に至った。対策には気を配っており、入退場時には選手や関係者は事前に登録した顔認証や検温、手指の消毒を行う。代々木第二は空間的には広くないが、館内においては選手と関係者との動線や、使えるスペースを区分けしてあり、極力接触を減らす形になっている。試合間隔も2時間毎とし、前のチームが退場したあと、ベンチの消毒作業などを行って次の試合を行うチームが入る。

オータムカップでの入場の様子。検温と同時に、予め登録された情報が顔認証で出る。
感染対策に関してはチームの工夫も見られる。大東文化大はオータムカップから選手のベンチにマスク管理用のビニール袋を一つずつ設置し、他の人が触れることのないようにしてある。

また取材は選手と報道が別室に分かれ、オンラインを使って行われる。オータムカップでも関東が同様の形式で行ってきたが、一人5分、各チーム最大3名までと短時間で行い、退場時間の決まっている選手たちにリスクを与えないように配慮されている。

他のカテゴリの試合と比べてもかなり制限つきだが、今回は1週間の大会の安全に運営し、無事に終わらせることが最大の目標といえるだろう。

オータムカップでのプレス室。各自がPCに向かい、別室にいる選手に会見形式で質問を行う。

3年半ぶりとなる聖地・代々木第二での大会開催

下の2017年時と比べると照明数が増え、床のカラーも変わり、全体的に明るくなっている。

今大会では、およそ3年半ぶりに国立競技場代々木第二体育館が会場の一つとして使用されている。バスケットボールの聖地と呼ばれ、国内でも珍しいすり鉢状の円形アリーナは床にバスケットボールコートが描かれた、まさに専用アリーナといった趣がある。観客席が360度から迫るように感じられ、観客と選手が近いのが特徴だ。2017年6月を最後に長らく閉館に入り、リニューアル工事などが行われていた。関東学連主催では2017年6月の新人戦で使用したのが最後となっていたが、インカレで久しぶりに戻ってくることができた。

新しい得点板はカラー表示が大きく、見やすい。
色合いは変わらないが、座席も新しくなった。

昭和39年の東京オリンピックに合わせて建てられた建築家・丹下健三によるモダニズム建築は、その全体像こそ以前と変わらないが、照明や床、得点板、座席といったものが最新のものに取り替えられ、快適さは増した。無観客となってしまったが、初日からどのチームも熱戦が続き、コート上の温度は高い。貴重な代々木でのプレーをすべてのチームに満喫してもらいたい。

2017年6月24日の早慶戦の様子。学生全体としてはこの早慶戦が、リニューアル前の代々木での最後のバスケットの試合だ。観客席が満員になったときの雰囲気は他ではなかなか味わえない。観客を迎えての大会開催が可能になる日が早く訪れることを祈りたい。
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