【インカレ2020】12/10レポート(Aコート)

2020インカレ
早稲田大は長年越えられなかった日本大の壁を遂に破った。

青山学院大が最後に抜け出し中央大を下す

青山学院大中央大相手に立ち上がりで一気に引き離した。中央大は守られて外を打つしかなく#2内尾がなんとかつないでいく状態。1Qは苦しい中で、持ち味が出せなかったが、試合が進むにつれてディフェンスが機能。青山学院大にミスをたびたび犯させ、追い上げた。しかし青山学院大も#17保泉のシュートが好調で、接戦の中でもチームを救っていく。中央大は10点差のようなところから何度も追い上げ、逆転まで持ち込む瞬間もあったが、#17保泉の大事なところで決まったシュートが勝負を分け、青山学院大がベスト8に進んだ。

中央大は1回戦の対戦相手が大会辞退となり、チームでコンディションを整えるのも難しい中で、粘りあるプレーを展開。主将の#12樋口は怪我で欠場したが、「やってきたことがきちんと実っている」と後輩たちの新しい船出に期待する。一方、勝利した青山学院大は今年から取り組んできたトランジション展開も馴染みだしてきている。まだ波があるがそれを減らしていけるかが鍵だ。

青山学院大は保泉が好調だった。

【青山学院大INTERVIEW】「ディフェンスの強度を上げることが勝ちには必要」◆#2斉藤諒馬(4年・PF)

行方のわからない試合の中で確実にパフォーマンスを出しつつ、チーメイトにもディフェンスの強度を説いた。何度も追いつかれ部分を反省し、次に活かしたい。試合をこなすにつれてようやく試合での走りもスムーズになってきているが、停滞する時間帯もあるだけに、ディフェンスから締めて波をいかになくすかがポイントだろう。この対戦は高校時代の同期との戦いであることも見どころの一つだった。

ー接戦になりましたが、試合を振り返っていかがですか?
「自分たちのディフェンスの強度が足りなかったのが、今日の反省です。思ったよりで出してガツンと入れたので、それは良かったと思いますが、その後相手が追いついてきた時にもう一度頑張って、離すということができませんでした。昨日もディフェンスが悪かったのでそこは改善しなければいけないと思います」

ー何度も追い上げられて逆転もされた時間帯もありましたが、そこはチームで話をしていたんですか。
「終始ディフェンスのコミュニケーションと強度を上げていこうという話をしていたんですが、試合の中で急に強度というのが上げられなかったです。明日はどちらにしろディフェンスを頑張らないと勝てないと思います。チーム全体でそこはハッスルしなくてはいけないなと思います」

ーディフェンスは意識すればすぐ高められるものでしょうか。
「オータムカップはわりとできていたので、もう一度ボールマンプレッシャーをかけるとか、細かい所の意識を上げられれば。ディフェンスは気持ちだと思うので、そこをもう一度チームで意識したいです」

ー3年生がチームの中心に多いと思いますが、斉藤選手自身は3年生に支えられているなという感覚がありますか?
「4年は2人しかいないので試合には1人しか出ていないので、3年生が率先して引っ張ってくれているのはすごくありがたいです。永野(#24)は声をかけてくれますし」

ー4年生が減ってしまった分、気負いやプレッシャーみたいなものはありましたか?
「最初は正直ありました。急に3人抜けて自分1人でやらなくてはということろで背負ってしまいました。でも3年生とかがいてくれてよかったです」

ーオータムカップ序盤では吉岡さんのバスケにはまだ慣れないこともあるという話でしたが、試合をこなすうちに馴染んできましたか?
「そうですね。もう全員が理解したという状況になったと思います。止まらないオフェンスはうちにはすごくフィットしているんじゃないかな」

ー中央大の樋口選手(#12)は今日出られませんでしたが、山形南の同期に何かメッセージはありますか?
「プレイヤーとして大学に残ったのは自分と樋口だけです。彼とは結構連絡も取っていて、正直最後はやりたい気持ちもありました。学生でのバスケお疲れ様っていうことと、また違うステージで出会うことがあればいいかなと思います。j細谷先生からも電話を頂いて、この試合を楽しみにしていてくれたとは思うんです。でも今日はいい試合を見せられたと思ってよかったです。後は樋口の分も次頑張ります!」 

力強さもあり、外のシュートも上手い#2斉藤。

早稲田大が“日大越え”を果たしベスト8進出

ここ数年来、ことごとく日本大の前に苦杯をなめてきた早稲田大が、ついにその壁を破った。立ち上がりから勢いは早稲田大。日本大を激しく守り、簡単にリバウンドを取らせず、シュートも打たせない。日本大のシューター陣が乗ってこない間に早稲田大がリードを確実にして試合を進める。後半、#10杉本、#11高原が当たりだすも、早稲田大の勢いも衰えずそのままフィニッシュ。長年苦い経験をさせられてきた相手に「やっと勝ちました」と#41小室から喜びの声が漏れた。

早稲田大は土家が得点を牽引している。

東海大・大東文化大は点差を維持してベスト8へ

初戦では代々木でミスも見せた東海大は、天理大に対して終始リードした。天理大は#3藤澤、#58川真田のところで勝負していくが、点差をつめるのが難しい。東海大は1戦目に続いて#23佐土原が安定したプレーを見せてベスト8へ進出。日本大を倒して勢いに乗る、早稲田大と対戦する。

大東文化大は、初戦で北陸大と接線を繰り広げた福岡大と対戦。後半に入ると流れを掴んで引き離していくと、福岡大もずるずると引き離される形になった。次の相手は青山学院大とベスト4をかけて戦う。

東海大はアイデンティティであるディフェンスを基盤に、頂点までいけるか。

【東海大INTERVIEW】「早稲田に負けないように声を出していく」◆#28津屋一球(4年・SF)

今年の主将であり、陸川監督も「津屋が昔のような東海を取り戻す」と宣言したことでチームが変わったと、頼れる部分を強調する。ベンチでも声を出し、チームメイトを気にかける様子は昨年までともまったく違う。この先の戦いはさらにキャプテンシーが重要になる。それをどんな形で発揮してくれるかどうかが見どころだ。

ーこの試合は少し余裕のある展開でしたがいかがでしたか?
「いやでも、自分たちの中では途中で藤澤選手(#3)とか川真田選手(#58)のシュートがあまり止められていなくて、あそこを止めなくてはいけないなという。修正ポイントがたくさんありました。そこまで余裕という内容ではなかったと思いますが、あの2人をどう止めるかを徹底していくことで、なんとか点差をキープできたのかなと思います」

ー初戦で少しリズムの悪い試合展開をしましたが、中一日はみんなどういうことを意識してきましたか?
「自分たちのパスやシュートミスから崩れて、自分たちで首を絞めてしまっているシーンがとても多かった試合でした。まずはパスの正確さや基本的なことをしっかりやろうという話はして、今日はミスがあったとしてもちゃんと戻れて、トランジションに行かせないようなディフェンスができていたと思います。今日はその点は大丈夫でした」

ー準決勝の早稲田大戦はどこを大事にしていきますか?
「自分たちのアイデンティティであるディフェンス・リバウンド・ルーズボールを徹底することはもちろん、早稲田は小室キャプテン(#41)が声を出して引っ張っていてすごくいいチームなので、それに対して自分たちは早稲田以上に声を出して、東海らしいディフェンスを続けることが大事になると思います」

ー早稲田の小室キャプテン以下、みんなが声を出して頑張ってるのは気になるポイントですか?
「やはりインカレは4年生が軸になってくるので、小室はもちろん柳川(#14)は自分の高校時代の同期ですし、そこはキャプテンシーで負けたくないと思って戦います」

「状態はベスト」Bリーグを目指してシュートも改良中◆#23佐土原 遼(3年・PF)

佐土原の安定感がチームを安心させている部分は少なくないはずだ。パワーで相手を吹き飛ばし、確実なシュートで加点する姿がオータムカップから続いている。彼も昨年の負けを噛み締めているうちの一人。悔しさを払拭するためにも、この先の戦いで己の力を証明したい。

ーオータムカップからかなり安定した活躍を続けているように思います。
「体の調子は結構ベストな状態で、オータムカップもインカレにもいい形で臨めています。シュートタッチについてはあまり良くないんですが、その分体を張ってゴール下のシュートは確実にと。入らない部分を補っているというよりは、それ以外のところは頑張っている感じですね」

ーオータムカップではアウトサイドも入っていたように思いますが。
「少しシュートを変えている部分があって、今少し調整中です。Bリーグを見据えて、プロに入って外国人選手相手にもシュートを打てるように変えていこうとしているところなので、合わせていきたいですね」

ーBリーグ目指すことをいつ考え始めたんですか?
「昨年颯太(#11大倉)がBリーグに行ってすごいなと感じて、そこから意識するようになりました」

ー昨年は悔しいシーズンだったと思うので、今年はかけるものもあると思います。どのような思いで臨んでいますか?
「昨年のインカレがとても大きくて、20点差がついていたのに逆転負けをしてしまいました。自分的にもプレータイムももらっていたのに負けてしまって、責任を感じています。今年はやり返す気持ちを持って、新型コロナの自粛期間でもその気持ちを忘れずに、体育館を使えない中でトレーニングなんかを頑張ってきました」

ーそれが安定感につながっているんですね。早稲田戦はインサイドの選手がかなり跳躍力もあるので、対応が重要になってくると思いますが。
「自分は小室さんとマッチアップすると思うんですが、声の部分で負けないように頑張ります。あとあちらの方が重いと思いますし。でも早稲田戦ではビッグマンがどう点数を取るかというよりは、ペリメーターの方が重要で、うちのカード陣が重要になってくると思います。そこを注目してもらいたいなと思います」

#23佐土原はドライブやゴール下で見せる破壊力抜群のプレーが魅力。アウトサイドシュートも武器の一つだ。

※中央大#12樋口選手、日本大#10杉本選手、天理大#3藤澤選手のインタビューはのちほど追加します。

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