【2023新人インカレREPORT】ベスト4決定!1〜4シードのうち3チームが初戦で敗れる(2023.7.14)

2023新人インカレ
大東文化大に勝利し、喜ぶ専修大#97ジョベと#8介川。

新人インカレはいよいよベスト4。専修大・日本大・浜松学院大・筑波大の4チームが勝ち上がった。最終日まで残れるのはこの4つのみ。初代新人日本一をかけ、残り2日間の戦いに挑む。

第1回ということもあるが、大会の難しさを感じる準々決勝になった。今大会では1〜4シードはこの日が初戦となる。やはりプレーに固さはあり、大東文化大・日本体育大・中京大の3校が敗れる結果になった。唯一残った筑波大も立ち上がりに大量リードされるが、なんとか終盤逆転して勝ち残った。そして大東文化大に勝利した専修大は、今大会唯一のグループステージ勝ち上がり校。最終日まで7連戦をこなすことになり、体力的消耗を乗り越えられるかに注目だ。

日本大が攻守で集中力を保ち日本体育大を下す

日本大(関東4位)は日本体育大(関東3位)と対戦。スリーポイントやドライブなど、立ち上がりから互いのポイントゲッターの得点で内外から点の取り合いとなり1Qは22-21。2Q開始2分、日本体育大は#1コネ(1年・C・帝京長岡)が2ファウルでベンチへ。しかし日本大のシュートの調子が落ちてきて、#41石川(2年・SG)のスリーポイントなども決まった日本体育大がリードを広げる。日本大は走って自分たちの流れにつなげ、#7新井(2年・F)のレイアップなどで加点。差を縮めていくと、#11奥浜(2年・F)のオフェンスリバウンドで逆転。#13泉(2年・SG)のスリーポイントも連続で決まると47-43で前半終了。

3Q、日本体育大のオフェンスが重くなり、リバウンドでも日本大の全体的な高さで守られるシーンが目立つ。日本大はじわじわ差を広げ、残り4分半で10点のリードを得る。日本体育大は#1コネの速攻からのダンク、#41石川のスリーポイントは決まるが流れのある攻撃は続かず65-56。4Q、追う日本体育大はようやく攻守で#1コネの高さが生きてくる。残り4分半、#7西部(2年・SF)の1本目のスリーポイントが決まり、日本体育大は2点差に迫った。しかし日本大も#33鈴木(1年・C・浜松開誠館)がゴール下でうまく#1コネをかわしてシュートにいき、追いつかせない。日本大はまんべんなくスリーポイントも決まり、90-80。プレ大会に続きベスト4へと進出した。

新人チーム主将の#13泉「6月の関東の新人戦よりもみんなの思い切りが良くなりました。積極的になり、パスの回数、攻撃の回数も増えてバスケの質が上がっている。行く・行かないの判断も良くなっています。みんなにもいけるところは思い切りいけと言っています」。主将として声出しもプレーのきっかけづくりも泉自身積極性が見え、この試合は7本のスリーポイントを沈めて32点の活躍だった。次は準決勝。昨年はここで敗退したが、「勝ちに行く」と前を向く。

シュートにいく#13泉。日本大は留学生はいないが全体的にサイズがあり、個々の能力も髙い。準決勝も注目だ。

東海地区対決は浜松学院大が地区予選の雪辱を果たしベスト4へ

昨年のプレ大会3位の中京大(東海1位)は、同じ東海学連代表の浜松学院大(東海2位)と対戦。インサイドで勝る浜松学院大は#23セン(2年・C)は高さで、中京大はシュート

タッチが良く一進一退で21-19。2Q、中京大はランプレーが続いてややリード。浜松学院大はミスも続くが、中京大も途中から得点が止まり前半は33-30の中京大リード。

後半、立ち上がりに浜松学院大が#0猪狩(2年・SG)のシュートで追いつくが、その後はターンオーバーから中京大に得点され再び離され7点差。しかし#0猪狩の再びのスリーポイントが流れを持ってくると、速攻が決まって残り2分半で再び同点に追いつく。さらに#0猪狩3本目のスリーポイントで逆転。勢いのついた浜松学院大が44-49とリードで4Qへ。

4Qはワンゴールを争う戦いになった。中京大は立ち上がりすぐさま逆転するが、浜松学院大も決め返してゆずらない。残り約5分、浜松学院大は#23センの連続ゴール下でリードすると、残り3分に#34西尾(2年・SG)のスリーポイントで54-60と差を6点に。中京大は#11石川(1年・SG・小林)のスリーポイント、#91山根(1年・SG・北陸)がフリースロー獲得で点差は2。しかし残り41.7秒で#34西尾の再びのスリーポイントが決まると勝負あり。58-67で浜松学院大が初出場でベスト4入りを果たした。

浜松学院大は#0猪狩が3本のスリーポイントで流れを持ってきた。

東海地区予選では77-49で負けていた中京大相手に見事勝利。予選では「スリーポイントをたくさん入れられて差がついた」浜松学院大・大口監督。ただ、今大会の良い点は浜松学院大が1試合多く試合をしていたこと、そして相手をよく知っていたからこそ冷静に戦えたことが大きいようだ。「大阪学院大さんも、中京大さんも、戦ったことのある相手。だから焦ることなく戦えていました。ただ明日からはこれまで対戦経験のないところが相手になるので、そう簡単にはいかない」という。昨年インカレ初出場を果たして東海地区で注目の一つとなっているが、新人チームはまだ未知数。「残り2試合は楽しむ」と、チャレンジ精神で挑む。

ベンチで喜ぶ大口監督とメンバーたち。まだ新しいチームだが着実に経験を積んでいる。

大きく出遅れた筑波大が4Qに流れを掴み中央大に逆転勝利

筑波大(関東2位)は中央大(関東8位)との対戦。立ち上がりは中央大#22島﨑(2年・PF)をはじめとしてスリーポイントが連発。最大21-2まで点差を開いた。その後も筑波大は攻守とも重く1Qは29-13と中央大が16点リード。2Q、筑波大はようやくディフェンスで身体が動き始め、#14坂本(1年・SG・中部第一)のスリーポイントも入ると落ち着いてくる。中央大は逆にこのQ9点に終わり、38-35と筑波大が3点差に縮めて前半終了。

中央大#22島﨑は7本のスリーポイントで会場の度肝を抜いた。
大学入学以降、プレー幅を広げるために本格的に外のシュートに取り組んできたという。

後半、筑波大のシュートが落ちる間に中央大は反撃。#22島﨑のスリーをはじめ、全体的にシュートが決まり開始2分半で再び点差を二桁にする。筑波大は攻撃がうまくいかず開始から6分半ノーゴール。差が広がりかかるが、#3黄(2年・PG)のスリーポイントでやや持ち直すと、最後は#13星川(1年・SF・洛南)のレイアップで56-47となんとか一桁差で4Qへ。すると#6副島(1年・C・福大大濠)の連続得点、#14坂本のバスケットカウントで差を縮めていく。残り4分半、ターンオーバーから走って筑波大がこの試合はじめて逆転。さらに#3黄の速攻も続いた。残り時間、中央大はスリーポイントの確率が落ちてきて流れを持ってくることができない。筑波大が逃げ切って64-71。初戦の重さがあった中で筑波大が逆転勝利を収めた。

筑波大は怪我で欠場が続いていた#7星川が公式戦初登場。強い身体を生かしたプレーを見せる。

専修大がディフェンスの粘り強さを発揮して大東文化大を破る

関東1位の大東文化大専修大(関東7位)に対し、1Qは10-16と出遅れた。ディフェンスから立て直し、2Qは大東文化大のディフェンスに専修大のシュートが乱れてくるが、#5後藤(2年・SG)、#10加藤律輝(1年・PG・羽黒)の外のシュートが入って専修大がリード。大東文化大も#5廣岡(2年・SG)、#70髙橋(2年・F)のシュートもあって追い上げる。しかし専修大はベンチメンバーもまんべんなく得点して粘り、前半は追い上げられつつも29-32の3点リード。

後半の立ち上がり、大東文化大は#70髙橋のシュート、#9田中(2年・PF)のフリースローで追いつく。そこから互いになかなか得点が続かないが、#97ジョベ(1年・C・高知中央)のプレーでやや専修大が優位に立ち、43-47とリードして4Qへ。

最終Q、大東文化大は開始早々#39アブドゥレイ(2年・C)のシュートで2点差とするが、専修大#2高橋(2年・PG)のスリーポイントに#8介川(1年・PF・開志国際)のシュートで逃げる。大東文化大は前半ほど外のシュートにもいけず、ペイント内でも得点できない。専修大は#97ジョベの高さが生き、終盤はフリースローをもらっていくと53-61。関東の覇者を下してベスト4へと進出した。

「今日はようやくやりたいバスケットをやることができた」専修大・佐々木監督。1・2年の新人チームは勢いこそあるが、まだチームディフェンス等への意識が薄く、これからというところがある。ディフェンス力に定評のある大東文化大相手に、守りが良く、またベンチメンバーがまんべんなく活躍して勝利を勝ち取ったことも好材料だ。次の相手は日本大。大会前の練習試合では負けているといい、雪辱成るかに注目だ。

今大会は要所でいいプレーを見せている専修大#88片根。佐々木監督も成長の期待をかける選手。
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