【2021新人戦】激闘、棄権などさまざまな状況の中、大東文化大・日本大・東洋大・山梨学院大・がベスト8進出(2・3回戦・2022.3.6)

2021関東新人戦
青山学院大VS東洋大、3Qでは東洋大#33秋元のスリーが青山学院大にダメージを与えた。

新人戦は3日目を迎え、8シードの半数はこの日緒戦を迎えた。イレギュラーな今大会、8シードは1回勝てばベスト8進出が決まるが、白鴎大、青山学院大が破れ、大会を去ることに。勝利した大東文化大東洋大、そして対戦相手の帝京平成大が急遽棄権となった日本大がベスト8に進出した。

一方、前日に江戸川大をダブルオーバータイムで下した山梨学院大は、2部の関東学院大と対戦に勝利。躍進の8強入りを果たした。

大会は3日の休息をはさみ、残りのベスト8チーム決定、そして上位決戦へと入っていく。

山梨学院大が見事ベスト8入り、大東文化大は一昨年大会の雪辱を果たす

【aコート】

中央大慶應義塾大の2回戦は、中央大が前半からリード。慶應義塾大はディフェンスに阻まれ、得点チャンスをものにしきれない。後半に入ると、中央大もシュートが低調で得点が止まりがちな時間があったものの、相手にも得点させず。45-95で2回戦突破。次はベスト8をかけて東海大と対戦する。

江戸川大との大一番を制した山梨学院大は、一昨年、やはり2部ながら8強入りし、シード枠を獲得した2部・関東学院大と対戦。1Qは12-10のロースコアな立ち上がりとなったが、2Qの頭で#2カボンゴ(2年・C)の高さ、#67竹内(2年・SG)のスリーポイントも入って抜け出しかかる。関東学院大も積極的なアタックで応戦。前半は36-22と山梨学院大リードとなったが、3Qは関東学院大に粘られ、突き放しきれないシーンも。しかし追いつかれることはなく82-56で勝利を収め、ベスト8進出を果たした。次のベスト4では東海大と中央大の勝者が相手になる。

それぞれが役割を果たしている山梨学院大。

白鴎大大東文化大の対戦は、一昨年前はベスト16をかけて戦ったカードの再戦だ。このときの新人戦の主力であった松下・小室・角田・ブラらはその2年後の2021年、今季のインカレ制覇を果たしたことも記憶に新しい。このときは白鴎大が6点差で競り勝っている。

注目の対戦となったが、今回流れを掴んだのは大東文化大。立ち上がりからシュートが好調で一気に9-0まで持っていく。出遅れた白鴎大は2Qになるとディフェンスも足が動き出す。大東文化大のファウルやターンオーバーが続いている間に得点を重ねるが、#34バトゥマニ(2年・C)の高さや#25山内(1年・SG・明成)機動力を活かし、再び大東文化大が波に乗る。白鴎大は得点が伸びず25-32で前半終了。後半は大東文化大の勢いが止まらない。4Qもリバウンドからのルーズボールに必死に食らいつく形で白鴎大にオフェンスチャンスを渡さず、49-72。大東文化大は次戦でベスト4をかけて拓殖大と対戦する。

生き生きとしたプレーしていた大東文化大。ライバルの白鴎大に快勝を収めた。

【2021新人戦】「みんながすごく声を出し、コート上でも頼もしい」チーム一丸で勝利に向かう #4菊地広人/大東文化大・2年

駒澤大・国士舘大が快勝、日本大は不戦勝

【bコート】

ともに不戦勝で2回戦に進んだ駒澤大立教大の戦いは、2Qに立教大が1点差まで詰め寄る場面もあったが、駒澤大がリバウンドをきっちり取ってトランジションで得点を重ねた。後半も引き離して114-75で勝利。ベスト8決定戦では筑波大と対戦する。

国士舘大明星大の2回戦は、1Qから国士舘大がオフェンスで畳み掛けた。高さのある#3佐藤(2年・F)、個人技の#7樋口(2年・PG)らの得点で流れを作った国士舘大は、#87木島(1年・SG・習志野)も前の試合から好調で、スリーポイントが気持ちよく決まる。明星大もディフェンスで踏ん張り、オフェンスでは積極的にスリーポイントを打っていくが、1Qで26-14と差がついた。2Q、明星大は#3菊池(1年・G・文星芸術大附)の連続スリーもあるが、後がなかなか続かず、引き離されていく。国士舘大はベンチの選手も活躍し、104-56。勝利した国士舘大は専修大との戦いで、ベスト8を目指す。

リーグ戦から出場している選手が多い国士舘大。新人戦では#87木島のシュートがこの2試合とも好調。

bコート第4試合の帝京平成大と、この日緒戦となる日本大の対戦は、急遽帝京平成大が棄権となり、日本大の不戦勝に。日本大は一試合もしないままベスト8に駒を進め、11日のベスト4決めにて緒戦を迎える。

東洋大がファイトあふれるプレーでベスト8、シードの青山学院大は緒戦敗退

粘り強く戦った東洋大。最後は際どい勝負をしのいだ。

緒戦の青山学院大は2部・東洋大相手に苦しい展開を強いられた。試合は全体を通してロースコアとなった。序盤からリードを奪った東洋大は、サイズやフィジカルでは劣るが、運動量を武器にリバウンドでも弾いて粘る。6-12とリードを奪ったあとは得点が止まり、青山学院大は#7進(1年・SF・桐光学園)が気迫のプレーで持ち直すが、1Qから11-14とビハインド。2Qはどちらも決め手がない状態で得点が動かない。青山学院大は#7進のブロック、バスケットカウントで追い上げ逆転。東洋大はゾーンプレスでこの時間帯をこらえ、#14長野(1年・PG・成立学園)のスリーポイントで再びリードを奪い返し、27-28で前半終了。

3Qは僅差の戦いが続いた。東洋大は簡単には攻められないが、#33秋元(2年・PF)のスリーポイントが流れを作る。青山学院大はミスが続いて良い時間帯が持続せず、40-45の東洋大リードで最終Qへ入る。東洋大は4Qの立ち上がりに#1佐藤(1年・PG・高知中央)の速攻とスリーポイント、さらに#33秋元のスリーポイントで43-53として、開始4分でこの試合最大10点のリードを奪った。ファウルや24秒オーバーなどが続いて落ち着かない青山学院大だが、東洋大は10点差にしたあと得点がストップ。青山学院大がじわじわと差を詰めていくと、残り19.9秒で52-53と1点差にまで追い上げた。東洋大はファウルで得たフリースローを落とすなど、焦りの展開となるが、互いにボールの奪い合いから残り2.4秒で自陣のマイボールにした青山学院大は、エンドスローで息が合わず万事休す。攻守交代した東洋大は最後に得たフリースローを1本沈め、52-54。激しい攻防で競り勝ち、2015年以来のベスト8に進出した。

ルーキーながら、リーグ戦では欠かせない活躍だった青山学院大#7進。苦しい場面を打開したが、あと僅かに届かず。

青山学院大は連携を欠いて終始主導権を握れず、高さでも優位に立っていたが、リバウンドでも東洋大に粘られた。リーグ戦でも主要メンバーとしてプレーした#7進の奮闘は見えたが、チームとしては力を発揮しきれず。公式戦ではインカレに引き続き緒戦で姿を消す形となり、手痛い敗戦で2021年度のシーズンは幕を下ろした。

東洋大は得点が止まる時間帯もあったが、トランジションやディフェンス、ゾーンプレス等、持ち味を出せた部分でリードを奪うことに成功。中では攻めにくかったが、スリーポイントが好調で、リバウンドにも果敢に飛び込んで自分たちのボールにしていった。佐藤コーチ「うちは誰もが知るようなスーパースターはいません。ディフェンスもオフェンスもチームで共有し、実行することで作っていっているチーム。それを1、2年でも変わらずやっています」と、自分たちのバスケの徹底こそベースにあるとし、それがある程度出せたことは大きいだろう。勝って良かった面もあり、また反省材料も得た。リバウンドでは負けずに粘ったが「青山学院大からはフィジカルの強さも学ばせてもらった」という。新人戦での経験をすぐに始まる新シーズンでも活かすことができれば、このベスト8に大きな意味がある。この状況でも試合を開催させてもらっていることに感謝を述べるが、残り3試合できることこそ何よりも大きな収穫だ。「うちはチャレンジする立場。どんな相手でも胸を借りるつもりで乗り越えられたらいいし、そうでなくても何度でもトライしたい」と前を向く。次はベスト4をかけ、専修大と国士舘大の勝者と戦う。

ルーキーの東洋大#34若木がリバウンドで奮闘。

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