【2021新人戦】大東文化大が初の決勝進出、筑波大は不戦勝で決勝へ(準決勝・2022.3.12)

2021関東新人戦
大東文化大はキャプテンの#4菊地を中心に、さまざまな選手が活躍。

イレギュラーな形ながらここまで続いてきた関東大学新人戦は、最終盤になっても予定が読めない状況だ。準決勝に進出していた専修大がこの日棄権となり、対戦予定だった筑波大がそのまま決勝に進む形になった。大東文化大は中央大と対戦しこれに勝利。新人戦決勝に初めて進む。また、専修大の棄権により、前日に対戦していた東洋大は最終日の試合を辞退した。

これらの経緯により、3位中央大、4位専修大、7位拓殖大、8位東洋大が確定。最終日は5位決定戦の日本大vs山梨学院大、決勝の大東文化大vs筑波大の2試合が開催されることになった。

ディフェンスを軸にした日本大が東洋大を抑えて5位決定戦へ

筑波大に敗れて順位決定戦に回った日本大は、東洋大と対戦。ゲームは序盤から東洋大の持ち味であるアウトサイドのシュートが決まり、拮抗した状態になる。外のシュートが中心になる東洋大に対し、日本大は#12コンゴロー(1年・C・東山)の高さを活かし、内外から積極的に攻めて1Qは20-20。2Qになるとディフェンスを締め、東洋大からターンオーバーを奪って徐々に差を広げる。東洋大はゾーンで対応するが、ミスが続いて得点が伸ばせず、41-28と日本大リードで前半を終えた。

東洋大は#67新井が17得点。ほかにも#14長野が19得点し、勝負強く最後まで戦った。

3Q、東洋大は#1佐藤(1年・PG・高知中央)を皮切りに、#33秋元(2年・PF)、#14長野(1年・PG・成立学園)らのシュートが序盤に続く。しかし日本大は#15一戸(1年・PG・明成)や#59山田(2年・SG)のスリーポイント、#12コンゴローのオフェンスリバウンドで再び差を開く。東洋大は一時15点差まで開くが、スリーポイントが好調で60-51と点差を一桁に。4Qも#14長野や#69新井(2年・F)がシュートを決める東洋大。ディフェンスでもルーズボール争いで気迫を見せる。しかし日本大は#8陳岡(2年・PG)のスリーポイントが効果的に決まり、#51一戸も鋭いドライブを見せ、東洋大に流れを渡さず。東洋大も最後まで粘るが88-75で日本大が5位決定戦に進出した。

「チームディフェンスをしっかりやろうと臨んだし、それが結構できていたと思う」と新人戦キャプテンを務める日本大・#8陳岡。最終戦に向け、「昨年からディフェンスに重きを置いてきて、それを最後までしっかりできればトータルしていい大会だったといえると思う。最後までディフェンスに注目してもらいたい」と、最後の目標を掲げた。

チームメイトに声をかける#8陳岡。

一方、この試合後に専修大の棄権がわかり、前日の対戦校である東洋大はここで大会を辞退。青山学院大を倒し、専修大をあと一歩まで追い詰めるなど、素晴らしいプレーを見せてきた東洋大は、最終戦を戦うことはなく8位で大会を終えた。

山梨学院大が4Qに拓殖大を突き放す

順位決定戦のもう一試合、初のベスト8進出を果たした山梨学院大拓殖大の対戦は終盤まで競り合う形となった。1Qから互いに点を取り合い、勝負は拮抗。山梨学院大は#67竹内(2年・SG)、#2カボンゴ(2年・C)を軸に、拓殖大は#21須藤(2年・SG)が連続得点で見せた。1点差で2Qに入り、拓殖大は#0神田(2年・PF)へのパスがうまく通る。対する山梨学院大は警戒されながらも#67竹内のスリーポイントが入る。互いの留学生がベンチに下がっている間は走り合いとなるが、ドライブやジャンパーの決まった山梨学院大が34-30とリードして前半終了。

3Qは山梨学院大が流れを掴む。序盤に速攻が続いて8点差にまで開く。拓殖大も#35加藤(1年・F・明成)の奮闘が見え、追い上げる。山梨学院大はアタックしてフリースローを得ていきリードを保つが、残り1分から#35加藤のオフェンスリバウンドや#83吉本(1年・F・中部第一)、そして最後に#24ユセフ(2年・C)にダンクを決められ50-50のイーブンに戻されて最終Qへ。

4Q、スタメンに戻した山梨学院大は、ここでエーススコアラーたちが奮起。#68高橋(2年・SF)がスリーポイント、ジャンパーを立て続けに決め、#67竹内が速攻で続く。拓殖大はコートに#21須藤を戻して食い下がるが、さらに#68高橋の3連続得点で14点差まで開いた山梨学院大が優勢となる。最後は着実にフリースローを沈めていった山梨学院大が75-68で見事勝利。5位決定戦へと進んだ。拓殖大は7位決定戦の相手となる東洋大が試合後に大会を辞退したため、自動的にこれが最終戦となり、7位で大会を終えた。

ともに30ほどの出場時間となった拓殖大#24ユセフと山梨学院大#2カボンゴ。

粘る中央大を退け、大東文化大がチーム初の決勝へ

棄権や辞退が相次ぐ中、A・Bブロックで勝ち上がったのは、ここまで4試合をこなしてきた大東文化大と、5試合をこなしてきた中央大。それぞれ経験値を高めてきた中での戦いは、大東文化大が先行する中、中央大も最後まで諦めずに食らいついた。

立ち上がりは大東文化大#4菊地(2年・SG)がスリーポイント2本を含む3連続得点で一気に差を開き、その後も#21富山(1年・PF。淡路三原)、#34バトゥマニ(2年・C)のインサイド陣が得点していく。中央大はミスが続き、#2内尾(2年・SF)が開始5分で2ファウルとなってしまうが、今大会好調の#14鍋田(2年・SG)がスリーポイントで応酬。高さでは劣る分、外からの攻撃がメインになりつつやや苦しい立ち上がりに。13-26とされてからの2Q、中央大は#25西村(1年・PG・洛南)や#13小川(1年・SG・北陸)ら控えガード陣の好プレーも出るが、大東文化大も一時下げていた#34バトゥマニを戻して対応。#4菊地のジャンパーで2桁点差をキープする。しかし終盤に#14鍋田の連続スリーが出ると27-33と6点差にされて前半終了。

大東文化大は#21富山が攻守で奮闘。ここからの大きな成長が期待できる選手。

3Q、10点差ほどのところで攻防が続くが、中央大はスリーポイントを軸に追い上げ、大東文化大のミスに乗じて#11オヌ(1年・PF・土浦日大)の速攻が出ると2点差に迫った。大東文化大は#4菊地のフリースローでなんとか4点リードとし、44-48で最終Qへ入る。

4Q、開始早々#14鍋田のスリーで中央大は1点差。しかし、ここから大東文化大もしっかり立て直した。#14谷川(2年・PG)が積極的に得点を重ね、このQだけで3本のスリーポイントを沈め、11得点。#46神代(2年・C)のフィジカルを活かしたプレーも加わり、差を開く。中央大は#2内尾が精度の高いシュートを放っていくが、追いつくまではいかず63-74。大東文化大が初めての決勝進出を果たした。

中央大は3位決定戦が行われないため、この敗戦により自動的に3位確定。1回戦から登場し、粘り強いディフェンスでアグレッシブなオフェンスで見せ、強敵の東海大、勢いのある山梨学院大などを破ってきた。全体チームとしても2021シーズンは久しぶりにベスト8に食い込み、成果を出してもいる。最終戦ができない悔しさはあるだろうが、新人戦3位は見事なシーズンの締めくくりであり、またすぐに始まる2022シーズンの弾みになる結果。この大会で活躍した選手たちが、全体チームでも中心選手となっていくことを期待したい。

中央大は#14鍋田が11点。今大会は彼のスリーポイントが何度もチームを盛り上げた。

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