【オータムカップ2020】10/11 筑波大 vs 日本体育大レポート

関東オータムカップ2020

スピードある攻撃で日本体育大が迫るが筑波大が4Qで突き放す

第4試合は日本体育大筑波大による、伝統の“日筑戦”が展開された。昨年は日筑戦と学連の公式戦合わせて6回も対戦した両チームだが、今季はここが初の対戦。序盤から激しい戦いが展開された。

前半は筑波大がリードする展開となるが、日本体育大は#13ディクソンが流れを変える役目を果たし、食らいつく。前半は筑波大がリードするも日本体育大も追い上げて38-42で終了。

後半開始の3Qも点差が付かず離れずという状態になるが、#24土居(4年・SF)の3Pやバスケットカウント、得意の速攻も流れも出始めて勢いが出てくると#23小川(1年・PG・福岡第一)のアウトサイドも決まった。一時は逆転に成功するが、最後は筑波大が決め返し、55-56の1点リードとした。

4Q開始早々日本体育大は#50バム(3年・C)がバスケットカウントを獲得して再び逆転するが、その後は得点が伸び悩んだ。一方の筑波大は#27山口(4年・SG)、#21笹山(2年・G)、#8菅原(4年・PG)などガード陣が外のシュートを決めて一気に差を開くと、66-77で筑波大が勝利した。

日本体育大は持ち味の足を出してリズムを掴んだ時間帯もあり、「自分たちの時間帯があったのは良かった」と主将の#24土居も一定の評価。ルーキーの小川も前評判通りのスピードあるプレーでチームに貢献した。しかし序盤で#21クリスティンが負傷退場となるなど、キーマンを一人欠いた状態で終盤は疲れも見えた。筑波大は第1戦同様終盤に相手を突き放す展開。この2試合は#21笹山が16~21分の出場機会を得ているが、機動力と得点力を活かしたプレーが光った。一方で、インサイドで怪我人が相次いでおり、#75井上のほか、まだ経験値の少ないルーキーの#2木林の出番も増えている。この先の戦いではさらに働きが重要になってきそうだ。

筑波大は昨年怪我で欠場が続いた二上が復帰し、チームに勢いを与えた。

「怪我人の多い4番ポジションのアジャストが課題」◆吉田憲司監督(筑波大)

◆試合を振り返って
「非常に苦戦して、負けてもおかしくない試合だった。日体大さんの走るバスケットに少しトラブってしまった。走るのはわかっていたんですが、最初のドリブルアタックを止められずに前半少し苦しみました。後半アジャストできて、ターンオーバーからのブレイクはされたが、通常のブレイクは止められた。日体大さんも怪我人が出たし、うちも怪我人が出て本当に双方メンバーチェンジが大変だったと思う」

◆教育実習もあり、チームの集合は遅かったと伺った
「大学が課外活動を許可したのが8月の第2週からになります。ようやくチームとしてできると思っていたところ、8月の最後の週から9月の半ばまで3週間主力がいなくなってしまい、それで少しチーム作りが遅れたと感じている」

◆試合の出足の鈍さはチーム作りの遅れからくるものか
「4年生がいない中、4番ポジションを浅井(#7)にして、彼がアジャストしていた。練習ゲームもいい形だったが、最後の練習ゲームで捻挫をしてしまい、急遽4番ポジションに変更があった。そこで木林(#2)、栗林(#25)ら経験のないプレイヤーを使わざるを得ない状況になってしまったところで、インサイドは安定していないのが現状。今日栗林も怪我をしてしまったので、4番のやりくりが課題になる。ポジションに関係なくみんなが4番をやっていかなければならない」

◆次の試合までの2週間をどう過ごすか
「4番を誰にするかアジャストしながら作るということと、昨日、今日とのトランジションのディフェンスやピックなど課題が出たので、そこを詰めていきたいなと。大東戦のアジャストを考えながら課題を突き詰めたい」

【ROOKIES】「フィジカルをはじめいろんなものを身につけたい」スピード以外の武器を大学で磨く◆#23小川麻斗(日本体育大・1年・PG・福岡第一)

福岡第一では東海大に進んだ河村勇輝と2ガードで小気味良いバスケットを展開してきた。そのスピードあるプレーは走るバスケットを展開する日本体育大にもマッチし、この試合では17分の出場で10得点、3Pは2/3と見事な数字を刻んだ。大学ではポイントガードとして新たな挑戦をしていくことになるが、新戦力がチームに勢いをもたらすことを期待したい。


ー大学での初の公式戦を終えていかがですか?
「初の公式戦で最初日体大のペースがあまり良くなかったので、自分が出たら流れを変えられるように、という意識で頑張りました」

ーそういう意味ではスピードのある攻撃も出て、見せられた部分もあったのではないですか?
「今日はしっかり自分の持ち味を出せたと思います」

ー筑波大学は昨年のインカレ覇者であり、日本体育大にとっては伝統あるライバルです。戦ってみていかがでしたか?
「去年のインカレも配信で見たりしたんですが、サイズの大きい筑波大学に対して日本体育大は小さいので、高さでやられる分、スピードで勝とうという思いでやっていました。でもやはり大きさでリバウンドやポストプレーはやられてしまったので、そこが強いなという印象です。フィジカル面では自分にマッチアップしていた菅原さん(#8)や野本さん(#16)は、自分が高校のときにつかれていたりついたりしていたマークマンに比べると、フィジカルがガードとしても強いなと感じて、プレッシャーもすごくかけてきたので、思うようにプレーができませんでした。そういう面は見習わないといけないなと、試合をしながら感じました」

ー日本体育大は昨年からフィジカルトレーニングにも力を入れて、先輩たちもかなり身体を作っています。小川選手は入学してからそうしたトレーニングに取り組んでいたのでしょうか?
「高校のときはあまりウエイトトレーニングはしていませんでした。でも大学はスピードだけでは勝てないと先輩にも聞いていたので、週3とかでコツコツと先輩と一緒にトレーニングをしていこうという話になりました。今も継続してやっています」

ー具体的にどれだけ増やした、という数値は出ていますか?
「自粛期間に体重や体脂肪が増えてしまったので、それを一度落としてトレーニングをしているというところです」

ー今日は素晴らしいスピードあるプレーを見せていただきましたが、日本体育大のスタイルにも合っていると思います。今後はそれ以外にどのようなものを見につけていきたいですか?
「高校時代は走ってディフェンスをして、というチームスタイルだったのでそれはできていました。大学ではフィジカルやノーマークのシュートを確実に決めるといったことをしっかりやっていかないといけない、と今日の試合でも感じました。高さの部分でもガードで自分より大きな選手が大学にはたくさんいるので、ポストプレーされても簡単にやられないディフェンスをこの4年間で身につけていきたいなと改めて思いました」

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