【オータムカップ2020】11/7 3位決定戦 筑波大学VS白鴎大学

関東オータムカップ2020

終盤の展開をしのいだ筑波大が逆転で3位、白鴎大は惜しくも4位に

1Qは15-15と互角の立ち上がり。白鴎大は#2脇(1年・SG・岡山商科大附)の積極性が目立った。2Qになると筑波大が失速。筑波大は白鴎大ディフェンスの前に得点が伸びず、このQ8得点。白鴎大は#12菅谷(3年・PG)のシュートも入り、10点以上のリードで前半を終えた。

3Q、今度は筑波大が盛り返す。序盤は重さがあったが次第に#27山口(4年・SG)のシュートが入っていくと、44-45と1点差にまで追い上げて4Qへ。白鴎大は#23荒谷(4年・F)のスリーポイントなどで逃げるが、筑波大も#75井上(3年・C)、#27山口のスリーポイントが続いて逆転。僅差の勝負が続く中、筑波大は#23半澤(3年・SG)のシュートが流れを変えてリズムを掴む。白鴎大は終盤にシュートが決まらず、62-55でタイムアップ。ロースコア勝負を筑波大が制して3位を決めた。

筑波大も今大会は怪我人が続いた。特にインサイドが手薄になり、練習で#7浅井(2年・PF)、大会に入ってからも#25栗林(2年・PF)の離脱で特に4番ポジションが苦しい状態に。#2木林(1年・C・福大大濠)は今大会で経験を詰んだが期待のルーキーも多数入っており、この先の出番に期待だ。 白鴎大は大きく顔ぶれが変わったが、上級生のほとんど昨年から試合経験もある。大きくチームのイメージは変わらず、どのチームが相手でも柔軟に対応できる特徴を見せ、ディフェンスから個々がバランス良く加点していく。チームとして経験を積んで、この先の成長が見どころだ。

今季はエースとしての活躍が期待される山口。ここぞの1本を入れられる選手だ。

【筑波大会見】「将来を見据え、ビッグラインナップでどこにでも勝てなければいけない」◆吉田憲司監督

◆大会を振り返って
「こういう新型コロナウイルスが流行するという状況でやれたということ、そして終わってよかったというのが正直なところ。毎日毎日感染予防をして健康管理をしながら、なんとかやれてよかったと思う」

◆プレー面ではどのような課題が出たか
「やはり練習ゲーム等で、1週間前までこれでいこうと思っていたラインナップから、怪我をして選手がいなくなってしまった中でのチーム作りを急遽しなくてはならなくて、正直厳しかった。いろんなチームのローテーションを考えていたが、それが全く使えない状態になった。やりくりしながら、ようやく最後の1週間前になって全員が揃った。ようやくここがスタートラインだなというのが今正直なところ」

◆その中で収穫はあるか
「4番ポジションを大きくするのか、相手に合わせて行くのか、いろんなバリエーションを少ない試合の中でもある程度できた。インカレに向けて対戦相手に合わせたラインナップは作れるのかなと感じている」

◆昨年の優勝校として注目されている。インカレで勝つためには何が必要か
「今回大きな問題としてあったのはオフェンス。今日もビッグラインナップでスタートを出して、前半に相手とのミスマッチもあって、少し重くなった。後半はスモールラインナップにしてようやく足を出せた。常に自分たちのリズムでできるようにしていかなければならない。選手の将来のことを考えれば、ビッグラインナップで小さいチームにも勝てるようになる必要がある。今回でいえば白鴎もそうだが日体大のようなチームもそう。日体大戦は第4クォーターにスモールラインナップにしたことで優位になったのははっきりしているが、できればビッグラインナップで勝ち切れるようにしたい」

【筑波大会見】「インカレでチームを勝利に導けるよう、準備する」◆#8菅原 暉(4年・主将・PG)

◆最後は勝ちきれた
「内容はどうあれ、最後の試合はインカレにつながる試合だと考えていたので、勝ちきれたのはよかった。チーム状態はそんなによくなく、メンバーが固定できなくて怪我人が出たりして、練習でもうまくいかないことがあった。前の試合は我慢できなかったが今日は我慢して勝とうという話をしていて、それが少しはできたのかなと思う」

◆個人の出来は
「自分のプレーとしてはあまりよくなく、練習中に怪我してしまったということもあって、大東文化大戦からは少しセーブしながらやっていて力を十分に出せるという状況ではなかった。まずはしっかり怪我を治して、万全な状態でインカレに臨めるように。チームのことはもちろんだが個人の事も整えたい。チームを勝利に導けるプレーをできるよう、準備していきたい」

個人としても怪我があり、100%のプレーではなかった菅原。昨年もチームはリーグの不調を立て直して優勝した。今年もそれにならえるか。

【筑波大会見】「インサイドで自分の責任感が必要」◆#75井 上宗一郎(3年・C)

◆大会を振り返って
「今年の公式戦が初めてということもあって、みんな緊張していたが、少しずつ慣れてきて日体大戦で久々に競った試合ができて、いい試合ができたのかなとは感じた。しかしその次の大東文化大戦で結構自分たちの悪い所が全部出てしまって、うまくいかなかった。その後の2週間で立て直して、ようやくベースラインに立てたかなという感じ」

◆現在はインサイドでの負担が大きいが大黒柱としての意識は
「僕が大東文化大戦の1Qでファウルを2回してしまい、そこでインサイドが手薄になってしまった。自分の責任感が足りなくて負けてしまったと感じている」

◆インサイドは下級生も多い。アドバイスは
「自分は1年生から試合に出させてもらっている。その時からの経験は、後輩たちにしっかり伝えたい」

◆インカレに向けて
「日本一になる場所はインカレしかない。2連覇できる立場にもある。4年生を勝たせるために、まず気持ちで負けないことを前提にしたい。チーム作りもその気持で極めていきたいと思う」

内外できる器用さがある、貴重なビッグマン。筑波大の浮沈の鍵を握る。

【白鴎大会見】「もう一度チームで共通認識を持てるように導く」◆網野友雄監督

◆大会を振り返って
「後半が弱い。我慢しきれなかったり、自分たちに何ができていて、何ができていないのかというところを把握して、気持ちを落ち着かせることがまだ少しできていない。東海大戦は特にそれが難しかった。今日はその反省は少し生きていて、シュートまでを持って行けたが最後が入っていない。逆に簡単に点数を取られてしまう形だったので、シュートを決めきるところと、後半もう一度ディフェンスを締め直すというところができればいいかなと思う」

◆試合経験が少なめの選手もいる
「その影響はあると思う。ガードやビッグマンで軸になるポジションのところでの経験はまだ浅い。そこは伸びしろと信じていく」

◆収穫は
「最低限としてベスト4までは来ている。後は、1年生の脇やドラマネの経験値を上げることができたのは良かった」

◆インカレまでには何をすることが重要か
「自分達のチームのよさと各選手のよさ、そこをもう一度チームで共通認識を持ってプレーすることが大事だと思う。今大会は関屋(#0)が少し大人しかったが、本人ももう一度自分のよさを見せる必要があるし、こちらもそれを引き出すことをしていかなければいけない。彼はうちのエースになっていく選手であり、そこは期待している」

【白鴎大会見】「自分たちのリズムの時間を延ばしていくことが必要」◆#23荒谷裕秀(4年・F)

◆大会を振り返って
「今年は試合数も少なく、チーム作りが難しい状況だった。大会の最初はよい形で入れたが、途中から自分たちの課題が見つかってきたり、実際にゲームをやってみないと分からない部分が多かったので、その悪くなった時の課題をインカレまでに直したい」

◆昨年と大きくメンバーが変わった点で苦労は
「元々5人でバスケをするチームではないので、自分を含めて昨年から試合に出ていて試合経験がある選手は沢山いる。その選手達が中心になってチーム作りをしていた。ただ新型コロナウイルスの流行もあって、ブラ(#52)の合流が遅れてしまった。その分1年生の脇谷ドラ(#45ドラマネ)が試合に絡んでくることが多いが、まだ緊張もあるし大学は高校とは違う。しかも実戦がない中でどうやって意識を集中してプレーできるかも難しい」

◆個人的には得点が目立つが、意識しているか
「どの大学もスカウティングをしていて、自分がどんなプレーをしているかは他の大学にも理解されていると思う。そこで自分で行けるところはいくし、自分にディフェンスが集まってくる分、どうやって周りを活かすかなど、対応することが必要。それはこれからのキャリアでも重要になるということで、網野さんとも話し合っている」

◆4年はどういうことを意識しているのか 
「上下関係がなく、みんな仲がいいのがチームの特徴。お互いになんでも言い合える雰囲気作りをまず4年生からやっていくことで、1年生達も聞きやすいし、自分達も意見をしやすくなる。そこを意識していこうと4年生たちでは話し合っている」

◆インカレに向けて
「東海大戦と筑波大戦は同じ流れの中で、自分たちのリズムが崩れた時に立て直せていない。いかに自分たちのリズムでプレーできる時間を延ばしていくかが課題になる。そこを練習で修正していきたい」

柔らかいシュートが持ち味。関屋とともにチームを牽引する存在として活躍が問われる。
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