接戦が続く関東大学新人戦は、ベスト8進出をかけた戦いでも競り合いが続いた。今年は大きな差がないチームが多く、日々延長、僅差の戦いが続いている。
ベスト8は立教大・中央大・東海大・日本大・日本体育大・山梨学院大・専修大・白鷗大。さらなる高みを目指し、残す3試合に挑む。
40分間の熱闘を白鷗大が制し、昨年準優勝の筑波大が敗退
1部注目校同士がベスト8での対戦となった白鷗大と筑波大。勝負は最後まで一進一退の攻防となった。
1Q、筑波大は#7星川(2年・SF)を起点に攻め、白鷗大はリバウンドからの速攻を出す。両者オフェンスは重く13-13、2Qも互いに主導権の奪い合いが続いた。白鷗大はアウトサイドの確率が悪いが#22内藤(2年・PG)が機動力を見せてオフェンスを牽引。筑波大は#7星川と#14坂本(2年・SG)がゴール下で粘りを見せて25-24。
3Q、出足は筑波大がドライブや速攻を見せる。白鷗大は外のシュートが当たりだすが、筑波大も#11北條(1年・PG・土浦日大)の連続スリーポイントで応酬して流れをつかみ、わずかにリードを保ち、44-46と2点リードで最終Qへ。4Qは立ち上がりに筑波大が速攻を出すが、ここから白鷗大は#0丸山(2年・F)、#16八重樫(2年・SG)、#15小川(1年・SG・羽黒)とスリーポイントが当たると、一気に10点のリードに転換。筑波大は残り3分半までノーゴールとなってしまう。しかし#6副島(2年・PF)を起点に得点を重ねて#14坂本の速攻が出ると、残り1分44秒で2点差にまで追い上げた。ここからは両者必死の攻防となるが、ターンオーバーが続く状態になる。残り18.8秒で筑波大は#6副島がフリースローを獲得。2本決まれば同点だが、1本しか決められず苦しい状態に。一方、残り時間でフリースローを獲得した白鷗大がこれを決めていき、63-59で接戦を制した。
日本体育大に終盤の猛攻で粘る国士舘大は惜しくも敗退
明治大との延長戦に勝利した国士舘大は日本体育大との対戦。日本体育大は1Qから#1コネ(2年・C)が2本のダンクを決め、#4小澤(2年・SF)も安定したプレー。対する国士舘大も得点を重ね20-18と差がない入り。2Qも日本体育大が速攻を連発して持ち味を見せるが、国士舘大も#91片桐(2年・SG)のスリーポイントなど勝負強さを見せて35-30。
後半も日本体育大は#1コネ、国士舘大は#2ニシンバ(2年・C)らが存在感を見せて一進一退。4Q、国士舘大はわずかに追う形だったところから一時10点差に引き離されてしまう。しかし#91片桐のスリーポイント、#2ニシンバのインサイドで粘り、残り1分半には同点にする奮闘を見せた。残り5.1秒、3点差にされた国士舘大は最後のオフェンスで#91片桐にシュートを託すも、スリーポイントは入らず67-64で幕。日本体育大が勝ち上がった。
「どう秋に繋げるのが今後のテーマ」国士舘大・松島良豪監督
明治大には延長戦、そして日本体育大にも3点差と好勝負を展開した国士舘大。今季はアシスタントコーチから昇格した松島監督が指揮を執る。トーナメント後の1ヶ月半、うまくいかないことも多く、直前での練習試合は負けての大会入りだったというが、チームは2戦とも粘り強い好勝負を見せた。
「4月に監督に就任し、日本一をとるためにということをテーマに僕自身をやっていて、そのために今回の新人戦を含めて勝つためにはディフェンスが大事で、そこを徹底しないと絶対に上に上がっていけないということを言ってきました。チーム状況は良くない中、明治大、日本体育大相手に彼らがディフェンスにフォーカスしてくれて、体現してくれたおかげでああいう結果が出せたので、ものすごく成長したなと思っています」
シーズン序盤の春はまだ不安定なところも多いのがチーム競技だが、その中で見せたしぶとい2試合には、「選手が頑張った」と評価する。
「この勝ち負けを秋のリーグ戦に向けてどうつなげられるかが大事。3・4年生たちも下級生の頑張りを見て、どう頑張らなければいけないのかを感じていると思います」
と、上級生たちの奮起も期待する。秋リーグはいわば、今度こそ全力をださなければならない本番だ。昨年は2部で圧倒的な力を示したが、入れ替え戦では拓殖大の執念の前に敗退した。今季の2部は14チームから12チームに戻った関係で、強敵が揃う。言うとおり、この勝ち負けをいかに秋につなげるか、ここから秋に向けての戦いが始まる。
立教大が終始優勢で江戸川大を倒しベスト8進出
ディフェンディングチャンピオンの大東文化大を倒した立教大と、壮絶な延長戦を制して勝ち上がった江戸川大による対決は、シュート、ディフェンスで全員が力を発揮した立教大が勝利した。
両者ともに早いトランジションを持つチームは、拮抗した状態から前半#21田中(2年・F)のスリーポイントを中心にシュートが当たり、リバウンドも確保して前半で40-18と差をつけた。江戸川大も#5梶谷(2年・PG)を起点に粘るが、波に乗る立教大に追いつくまでには至らず。後半も粘り強いディフェンスと積極性のあるシュートでリードを守った立教大が82-73でベスト8の壁を突破。2014年以来の進出を決めた。
東海大・中央大・山梨学院大・日本大・専修大が勝ち上がり
東海大と神奈川大の神奈川対決は、前半は互角の状態から東海大が3Qに一気に引き離した。1Qは18-15となり、2Qになると東海大は#60佐藤()の積極的なゴールにアタックが目立ち始める。神奈川大はスリーポイントが決まり、2Qの終了時には#11石田(2年・sg)が遠くから投げたボールがネットをくぐり、34-35で前半終了。しかし後半、東海大は#25ムスタファ(1年・C・福岡第一)が存在感を出し、チームも盛り上がる。神奈川大は3Qで9点しか取れずここで差がつき75-68。
中央大は拓殖大を倒して勝ち上がった青山学院大に対し、機動力とシュート力を活かして前半に14点のリードを得る。青山学院大は外から打つ形になるが確率は上がらず、リバウンドが確保できずに引き離された。中央大はその後も快調で100点ゲームで勝利を確定した。青山学院大はアウトサイドが入り、得点を積み重ねたがそれでも中央大の攻撃力には叶わず80-100で試合終了。
また、山梨学院大は早稲田大を出だしから引き離し、日本大は関東学院大を、専修大は駒澤大を後半に突き放して勝利した。