準決勝2試合は、日本体育大と東海大が勝ち上がった。ともにディフェンス、オフェンスとも固く、攻撃力の高さもある。初の決勝での手合わせでの対戦が楽しみだ。
3位決定戦は専修大と中央大の対戦となる。高いインサイドを持つ専修大と、展開の早いバスケで得点を量産する中央大は両者ややカラーが異なるが、こちらも能力豊かな選手たちの競演が見られそうだ。
【準決勝】日本体育大がディフェンスから盛り返し専修大を破る
日本体育大と専修大の戦いは、専修大のリードから入った。専修大は高さを活かして#97ジョベ(2年・C)、#8介川(2年・F)等を中心に、#10加藤(2年・G)のシュート、#34古澤()の速攻も出て一気に引き離す。日本体育大はディフェンスの対応ができずに1Qは12-21と出遅れた。2Q、日本体育大は#35大江(2年・PG)のドライブを皮切りに#4小澤(2年・SF)、#1コネ(2年・C)で攻め、じわじわ追い上げると#52小田(2年・SG)のスリーポイントも決まった。ディフェンスはゾーンに切り替えて、専修大のオフェンスを停滞させる。専修大は足が止まって得点の伸びが鈍くなり、24秒オーバーや速攻でのラインクロスなど、ミスが続く。日本体育大は#4小澤の連続得点に加え、ディフェンスからの速攻が続いて逆転に成功。専修大も守られて苦しいところから、#97ジョベが高い個人技の能力を見せて押し戻し、33-33で前半を終える。
3Q、専修大は日本体育大のディフェンスを攻略できない時間帯が続き、#97ジョベのファウルも続いてしまう。日本体育大は#52小田のスリーポイントや#4小澤が次々フリースローを獲得してここで一気に引き離して54-43。4Q、傷が大きくないうちに流れをつかみたい専修大だが、日本体育大は早い展開からの得点が続き、それを許さない。専修大は#91土屋(2年・G)のアウトサイドや#97ジョベの得点で粘り5点差まで縮めるものの日本体育大も集中を切らさず#35大江(2年・PG)がフリースローや#1コネへのアシストなど専修大を揺さぶり続け、67-57。ロースコアゲームを制した。
【準決勝】東海大が中央大にリードを保って勝利し、決勝進出
東海大は立ち上がり、#2轟(2年・PG)が絶妙のノールックパスや連続スリーポイントを決める華やかな幕開け。#10ルーニー(2年・G)も鮮やかな股抜きパスで#60佐藤(
1年・F・東山)へのアシストを決め、一気に3-10と中央大を引き離す。序盤はターンオーバーが続いた中央大だが、ディフェンスから流れを作り、#15坂口(2年・GF)や#21深澤(1年・CF・土浦日大)の得点でやや落ち着くものの、その後東海大に早い展開で何度も決められ、19-27。2Qは再び東海大#2轟が連続スリーで会場をわかせる。中央大は#34、#21がゴール下で、また#34速攻にも走り、粘りを見せる。しかし東海大は中央大のディフェンスをかわして#60佐藤、#16赤間(1年・SG・藤枝明誠)がスリーポイントやバスケットカウントなど3点プレーを連発して中央大を寄せ付けず前半は37-50。
後半も東海大はディフェンスを緩めず、中央大ゴールを揺らす。#16赤間、#17横山(2年・PF)のスリーポイント、#60佐藤のオフェンスリバウンドなど、内外で加点していく。中央大は#15坂口、#3高山を起点に#21深澤もインサイドで粘りアリウープダンクを見せるなど会場をどよめかせるが、点差は縮まらず。4Qもそのまま攻め続けた東海大が68-94。ディフェンスの強度はもちろん、オフェンスでも圧倒して決勝進出を決めた。
【INTERVIEW】気持ちと勢いを大事に決勝に挑む/#35大江悠斗(日本体育大・2年・PG)
12点6リバウンド、アシスト7。特に得点源との合わせのパスで、終盤に専修大の追い上げを断ち切る上手さを見せた。ゾーンディフェンス、またトランジションでも持ち味を十分に発揮し、チームとしてもいい状態であるのが見える。昨年はアシスト王を獲得した期待のガードだが、この新人戦でさらにアピールをして全体チームでも存在感を示したい。
─日本体育大らしい試合でした。試合を振り返っていかがですか?
「1Qの入りで相手のペースに合わせてしまって、自分たちのブレイクのバスケットができない展開でした。そこを修正してディフェンスもゾーンに切り替えたところで、リバウンドを取って走るというのができたので、点数が伸びていって、ライオンズらしくなったと思います」
─この新人チームはチーム作りはいかがでしたか?
「小澤(#4)、小田(#52)コネ(#1)が全体チームでも試合に出ていて、そこ以外はあまり試合に絡んでいない選手たちです。なの、でチャレンジャー精神を持って試合に入ろうということで自分のプレーを出していこうとしています。周りの交代選手も生き生きと交代してくれるので、流れがつかめていいチームになってきていると思います」
─新人戦のチームの方々は緊張するという声も多いんですが、その辺は大丈夫でしたか?
「みんな最初はさすがにあったと思うんですが、メンタルはみんな強いと思うし、そこはもう大丈夫だと思います」
─新人チームのキャプテンとしてはどんなことを考えてプレーしていますか?
「自分がまず気持ちで折れてはだめだというところと、チーム全員、ベンチもそうですが全員で声かけをしていくというのを考えていました。でも最初は声かけをしていくのがすごく大変でした。少しずつ慣れてきて、なんとかキャプテンらしくなったのかなと思っています(笑)。自分は気持ちの部分で折れたらダメなので、キャプテンという立場でもありますし、本当に気持ちでやっているというところが大きいですね」
─大江選手個人では昨年はアシストに輝いています。今日もコネ選手との合わせもとても良かったですね。
「あそこはコネがしっかり合わせてくれています。彼がすごくうまくやってくれるおかげだと思います」
─明日の決勝に向けて。
「昨年はこの準決勝で負けてしまいました。一昨年のように勢いが大事だと思うので、それを出して優勝を狙うしかないなと思っています」
─また、秋のリーグ戦に向けて自分の実力アップの糧にもしていかなければいけないなと感じていますか?
「そうですね。全体チームでは今年まだあまりゲームに絡めていないので、この新人戦を機会に、リーグ戦で自分の持ち味のボールブッシュやドライブといった。3・4年のいるチームでも貢献できるようにやっていきたいと思います」
【INTERVIEW】「ディフェンスができているからこその勝利」タフなプレーで流れを掌握/#60佐藤 友(東海大・1年・F)
新人戦序盤から、タフなプレーぶりで存在感を見せている。この試合は20点15リバウンドのダブル・ダブル。ディフェンスでもオフェンスでも、見せ場が多い。東海大では自分に足りないものを身に着けたいというが、もともとその素地があるようにも見える。ここから一回り、二回り大きなプレイヤーになっていけるか、ここからが期待の選手だ。
─試合を振り返って。
「練習試合で一度対戦した相手で、練習試合でも勝ちましたが油断はできないと思っていたので、最初から自分たちのバスケットをやろうとしていました。ディフェンスがハードにできたのは本当によかったです」
─準々決勝の日本大戦でもそうでしたが、ディフェンスがとてもチームでいいですね。轟選手(#2)がトーナメントのあとディフェンスをだいぶ強化したと話していました。
「トーナメントあと、ディフェンスを完成まではいきませんが、しっかりハードにできるようにしようと、激しい練習をしてきて、それがあったからこそ今このディフェンスができていると思います」
─5月の時点では怪我人もいましたし、ディフェンスではまだまだという状態でしたか?
「チームとしてはまだまだで、課題は今もあります。でもそこは新人インカレにも行けるので、修正できると思いますし、明日の決勝の日体大戦でしっかり勝ちきりたいという気持ちでいっぱいです」
─佐藤選手はこの大会を通じて泥臭いタフなプレーが目立ちますね。
「自分の持ち味というか、性格上そういうのは得意なプレーなので、そこは継続してやっていきたいと思っています」
─東山高から東海だとまた違うバスケだと思いますが、慣れるのは大変でしたか?
「自分は適応能力はある方だと思っているので、そこは大丈夫でした。いろんな環境に適応するのはこれから必要なことでもありますし、そこにしっかりアジャストしていくことが大事だと思ってやっています」
─東海大はなぜ選ばれたんですか?
「自分の将来の夢を叶えるために足りない部分を鍛えてくれると感じられる大学だったので選びました。ディフェンスと身体の部分が足りないと思っていたし、そこをしっかり鍛えたくて。それができる環境が揃っているのが東海だと思いました」
─決勝に向けて。
「練習試合で一度対戦し、大敗してしまっています。チームができてすぐの対戦でまだ固まっていない時期でした。明日は自分たちにとってもリベンジの機会です。今はチームとしてもいい雰囲気でできているので、しっかり戦いたいと思います」