ベスト4への進出を絶たれた4チームが5〜8位の順位決定戦に進んだ。順位決定戦の2試合とも1点を争う激しい鍔迫り合いから、白鷗大と日本大が勝利し、5位決定戦に挑む。敗れた山梨学院大と立教大は7位決定戦へ。7位までが出場する新人インカレへの出場権もかけ、最終戦を戦う。
【順位決定戦】1点を争う攻防は白鷗大が守りきり山梨学院大に勝利
順位決定戦に回った山梨学院大と白鷗大。前半は山梨学院大がリードして進めた。山梨学院大は#98スヴェトリシック(2年・C)が欠場。高さがないものの、機動力を活かした攻守で白鷗大を上回る場面を多く見せた。白鷗大は6点ビハインドで2Qに入ると#45ロイ(1年・F・習志野)のスリーポイントを皮切りに#10堀内(2年・SF)の速攻、シュートで流れを持ってきて、#22内藤(2年・PG)の速攻で逆転。山梨学院大も#14菅野(1年・PG・帝京安積)の活躍で35-35と同点で前半終了。
後半の出足も山梨学院大は好調を維持。#14菅野、#5中村(2年・PG)の連続スリーポイントも決まった。白鷗大は#10堀内のシュートで返し譲らない。互いにディフェンスが良くターンオーバーの応酬となる中、白鷗大は#7境(2年・C)がリバウンド、インサイドの得点で躍動。山梨学院大は#5中村、#9齋藤(2年・PF)が返して譲らないが、白鷗大は最後に#72レスリー(2年・G)がブザーとともにシュートを沈め、52-55と3点リードで4Qへ。
最終Q、白鷗大のディフェンスの圧力に山梨学院大のターンオーバーが続き、約4分半ノーゴールに。しかし白鷗大も山梨学院大のディフェンスに阻まれ、一気に引き離すことができない。山梨学院大は#14菅野、#5中村が粘り強さを見せて得点していくと、残り約3分で同点に追いつく。白鷗大は#93齋藤(1年・F・京都両洋)のスリーポイントが決まり勢いづくが、#14菅野が返し、#10のオフェンスリバウンドからの得点で山梨学院大が残り1分で逆転。白鷗大のオフェンスを必死に食い止める山梨学院大だが、残り25秒で白鷗大は#22内藤がフリースローを2本決めて64-65と逆転。残り時間、山梨学院大は#5中村のシュートにかけるが守られて短くなり、タイムアップ。白鷗大が薄氷の勝利で5位決定戦に進んだ。
【順位決定戦】立ち上がり好調の立教大に追いつき、逆転で日本大勝利
ここまで高いシュート確率と粘り強いリバウンドで好勝負を繰り広げてきた立教大は、日本大に対しても1Qからその力を披露。立ち上がりはもたつくが、#24佐藤(2年・PF)のスリーポイントが決まると波に乗り、#26常陸(2年・G)、#37西村(2年・PF)も次々にシュートを沈めていく。日本大は打ってはいくがいずれもリングにはじかれ、またリバウンドでも苦戦して1Qは18-9と立教大リード。2Q、立ち上がりに立教大#10山下(1年・PG・浜松開誠館)のスリーポイントが決まる。日本大はパスが合わないなどミスが続き、#23ボロンボ(2年・C)のインサイドで得点するも、ファウルトラブルでベンチ行きを余儀なくされる。立教大は得点が止まりがちになるが、オフェンスリバウンドやフリースローを得るなど粘っていく。日本大は#33鈴木(2年・PF)、#19上野(2年・SG)らのスリーポイントが入ってきて追い上げムードになるが、立教大は#26常陸が返して譲らない。残り25秒に日本大がようやく追いつくが、立教大はQの最後は日本大のスローインから鮮やかなスティールを決め、38-35とリードで前半を終えた。
3Qの立ち上がりは日本大#16佐々木(2年・SG)のスリーポイントが入り、波に乗るかと思いきや、立教大は#24佐藤がスリーポイント、スティール、フリースローと4連続で得点に絡み、#17のオフェンスリバウンドも飛び出すと再び立教大が引き離す。それでも日本大はアウトサイドの確率が上がってきて#1髙宮、#16、#19らがスリーポイントを次々に決め、#17世戸(1年・PF・福岡第一)の速攻も生まれて1点差に迫る。さらに#23ボロンボのゴール下で残り1分で遂に逆転。それでも立教大は#10山下がスリーポイントを返すなど粘って2点のリードを守り58-56。
4Q、遂に流れが日本大に傾く。#17の速攻、#1髙宮の連続スリーで勢いをつけるとその後もアウトサイドが気持ちよく入り、Qの半ばで10点ほどのリードに成功する。立教大はこの流れについていくことができず、71-87でタイムアップ。3Qまでリードして試合を最後にひっくり返されての敗退。一方の日本大は昨日の東海大戦とは逆に4Qの逆転劇で勝利し、5位決定戦に進んだ。
【INTERVIEW】「まだできていないところが多い」課題と反省を次の糧に/#20山田哲汰(日本大・2年・PG)
188センチのポイントガードで走力を備え、次世代を担う選手の1人とし、プレー、リーダーシップとも期待が大きい。意識しつつまだまだ足りていないという感覚があるようだ。チームとしては東海大戦、立教大戦で反省も多く、もう位置段階飛躍したいところ。能力豊富な選手が揃うチームは、集中すれば爆発的なパワーを放出するが、一方でそれを制御しきれていないところも見える。残り1試合と続く新人インカレでどこまで高められるかが一つの見どころだ。
─試合を振り返って。昨日の負けからの切り替えもあったと思いますが、今日はいかがでしたか?
「昨日はゲームの入りが良かったのに、4Qで相手に完全にまくられてしまって、自分も含め、スタートが力不足だなと感じて、今日は絶対に勝ち切ろうという思いで臨みました」
─ただ、今日の立教大戦は昨日とは違い、出だしが悪かったですね。
「相手のペースに合わせてしまって、自分たちのプレーができなかった時間帯が長かったです。立教大に対してはスリーポイントとリバウンドさえ抑えれば、という話はしていたんですが、結果的にリバウンドの部分でセカンドチャンスを簡単に作られてしまった。それが分かっているのに止められないというのは、本当に反省しなければならないところだと思います」
─チームとして自分たちの時間をどう作るかが課題ですね。
「3Qも全員がいつか逆転できるという思いを持ってしまっていました。4Qはそのいつかじゃなくて、『今、絶対逆転しなければ』ということで気持ちが一つになれました。ディフェンスからいいリズムを作れたのが逆転の理由だと思います。相手は今年から2部ですが、心の中で隙があったかなという感覚もあります。相手がどこであろうと、やることを変えちゃいけないなということを改めて感じています」
─新人のチームは、練習は順調でしたか?
「最初の方はなかなかうまくいかなくて、本当にこれでインカレとかも大丈夫だろうかという風に感じていました。練習試合でも勝てない試合や、いいゲームができなかったりしました。不安はあったんですが、監督の古川さんやマネージャーの方々がいい言葉を言ってくれて、やるべきことをやり続けたおかげで、結果として明日の5位決定戦にいけたと思います」
─今年は城間さんが業務の関係で日大豊山高の古川さんがメインで指揮を執ってらっしゃいますが、高校の先生でもありますし、どれくらい練習は来てくださっているのでしょうか?また、馴染むまでに戸惑いはありましたか?
「練習はほぼ毎日来てくださっています。古川さん自身も交代したばかりで、最初は自分たちになかなか言いにくい部分があったのだと思います。でも、新人チームになってどんどん自分たちからも言ってほしいということで、古川さんにメインになっていただいています。そういう意味ではお互い言うことも理解が進んで、噛み合ってきているという感じになります」
─山田選手は2年目になりますが、昨年と意識は変わってきたでしょうか?
「去年は先輩に引っ張ってもらう状態でした。一つ上の先輩が頼もしく、自分のミスとかをカバーしてもらっていたんですが、今年は自分で引っ張らなければいけないという立場です。それがまだできていないゲームが多くて。昨日の4Qとかも自分が最後やらなくてはいけない場面でできなくて、今日のゲームでも引っ張ることができていません。リーダーシップがまだ足りていないなと感じています。でも試合に出ていない時でも、声は出そうと常に決めています。ベンチからで聞こえていなくても伝えることが大事だと思って声を出そうと思っています」
─全体チームとしても、ガードはすごく重要な部分になってくるのではないでしょうか?
「今はツーガードで出させてもらうことが多くて、少し頼っている部分もあります。でも、もっと自分が責任感を持ってプレーをすることが大事です。まだパスをする所を探したりしてるし、もっとアグレッシブにいかないといけないとも思っています」
─明日の最終戦は白鴎大戦になります。
「やることは変わらないので、昨日今日とできていない部分、自分たちのオフェンスリバウンドを取って、相手のオフェンスリバウンドを抑えるといったことをできれば、自分たちのいい流れにつながると思うので、そこを徹底したいです。ディフェンスからいいリズムを作って、しっかり明日勝ち切りたいと思います」
【INTERVIEW】「ただ一つ悔しい」との想いも、光った奮闘/#24佐藤拓海(立教大・2年・PF)
これまでの試合でも存在感が大きかったのはもちろん、この試合37点13リバウンド。現時点で得点、リバウンドランキングでも2部門で5位につけるプレーを見せている。188センチとインサイドとして大きいわけではないが、ゴール下へのアタックやリバウンドに絡む粘り強さは必見だ。新人戦はもちろん、2部に復帰した秋リーグ戦での活躍も見据え、残り1試合のプレーにも注目したい。
─試合を振り返っていかがですか?悔しい試合になってしまいましたが…。
「本当にその悔しいの一つだけです。勝ってきた試合では自分たちのやれることをしっかりやって勝ってきたので。今日も前半はディフェンスリバウンドというのを試合前から言っていて、それは最初からできていたので、最初は本当に良かったんですけど4Qの入りに少し気がゆるんだのか、相手の調子も上がってきていて、そこで離れてしまいました」
─大東文化大戦や江戸川大戦はそれが最後までやり通せたということですよね。
「大東文化大戦は4Qまで継続できて最後までしっかり集中できていたんですが、昨日の中央大戦はやはり3Qで少し切れていた部分があって、それを今回はなくそうとみんなで話し合っていたんですが、少し気のゆるみが出たかもしれません。それでリードされてしまいました」
─ただ、この新人戦は立教大にとっては久しぶりのベスト8ですし。結果に残る大会だと思います。新人戦に挑むにあたっては、チーム作りは順調でしたか?
「去年そこまで試合に出ていたメンバーが多くはなかったので、練習試合とかゲームの練習とかで感覚を掴みながらやっていたんですが、いざやってみたらだいぶ良くなってきていて、そこがいい試合につながっています。チーム作りとしては1試合1試合を経験して良くなってきたかなと感じています」
─シュートがうまいチームだと思いますが、ディフェンスやリバウンドの合わせのプレーなどは素晴らしいと思います。
「練習中でも少し気がゆるんでボックスアウトをせずにリバウンドを取られて、という部分がありました。その辺は課題として持っていたので、みんな意識してできていたのかなと思います」
─対戦してきた相手は、相手のほうが大きかったりすることも多かったと思うんですが、それでもしっかり対応できていたように思います。
「みんなでリバウンドはしっかり取りにいこうという話をしていたので、ガードとかセンターとか関係なく、みんなが飛び込んでリバウンドを取れていて、それがよかったですね」
─新人戦で、1部のチームと戦ってみていかがですか?
「通用する部分はあったんですが、大東文化大戦や中央大戦、江戸川大戦は自分としては最初のほううまくできなくて。特に悔しかったのは中央対戦で、だからこそ今日は意識をしていっぱいゴールにアタックをしようと思っていました。それが今日は出せたのが良かったと思います」
─立教大学は今季2部に復帰して、チーム全体でも頑張らなくてはいけない年だと思いますが、チームの雰囲気はいかがですか?
「まだリーグ戦が少し先なので、ここから夏休みの間に仕上げていくのかなと思います。春からケガ人が多かったりして、新人のチームで試合に出ていたことが多い状態でした。でも六大学の明治大学戦は競り合いましたし、手応えのある試合ができていたので、新人戦もいけるんじゃないかという感覚はありました」
─大東文化大戦は勝てるという感覚でしたか?それとも勝てたという感覚でしたか?
「勝てるという気持ちはあったので、油断せずにチャレンジャーとして気をゆるめず、最初から全力でした。それが勝ちにつながったのだと思います」
─あと1試合あり、最終戦には新人インカレにいく枠もかかっています。
「新人インカレに行くのがチームとしても目標でもあったので、そこはしっかり意識して勝ち切れるように頑張っていきたいと思います」