5〜8位を争う順位決定戦はモチベーションの難しい試合になるが、最高位の5位を目指し、もう一踏ん張りというところ。その中で神奈川大と日本大が勝利し、最終日に向かう。
【順位決定戦】神奈川大と日本大が5位、早稲田大と拓殖大が7位決定戦へ
神奈川大は山梨学院大との激闘から一夜明けての戦いだったが、前半から強度のあるディフェンスで早稲田大の攻撃を封じ、リードを奪った。早稲田大は#6三浦(2年・PF)が気を吐くが、この試合も得意のアウトサイドは決まらず。神奈川大は全員出場で5位決定戦へ。トーナメントでの過去最高位は7位。それをクリアして5位決定戦へ向かう。4Qに引き離されて57-79。
神奈川大は2014年以来の5位決定戦へ。トーナメントの過去最高位である6位を越えられるか。【2014トーナメント】6/1 5位決定戦 神奈川大VS早稲田大
日本大と拓殖大の一戦は立ち上がりからインサイドの強みを生かした日本大がリード。#12コンゴロー(4年・C)がゴール下で得点を重ねた。2Q以降はベンチメンバーもまんべんなく使いつつ、攻撃を継続。一方の拓殖大は持ち味の得点力を活かせず。前半は#88大石(4年・PG)がペイントアタックで得点するが前半は18-43と差がついた。
後半も日本大が余裕を持って試合を進めるが、拓殖大も最後まで攻め続け、30点あった差を20点近くに縮めるまで縮め、50-72でタイムアップとなった。
【INTERVIEW】「自分の気分が下がったら終わり。強気でいく」エースガードとしての矜持でチームを牽引/#3山本愛哉(神奈川大・3年・PG)
163cmのサイズでアウトサイド、ペイントアタックも強気でこなし、切れ込んだ先から味方へのアシストも鮮やかだ。1年目からチームの主力としてプレーしてきたが、3年目となりこれまでの“個人”より“チーム”としての意識が高まっているという。
チームとしては白鷗大を倒した今大会、勢いが感じられる。チームとして最終戦に勝利できるか注目だ。
─トーナメントの感触はいかがですか?
「まずは白鷗大に勝ち、でも山梨学院大との試合で、1点差で負けてしまいました。でもしっかり戦えるし、戦えているという実感自体はあります」
─準々決勝の山梨学院大戦は惜しい敗戦でした。今日は切り替えられていましたか?
「自分はあまりできていなかったんですけど、チーム的には今日勝ったら神大のトーナメントベスト成績を更新できるという方向にあるので、それにベクトルを向けていきました」
─山本選手は1年時から試合に出ていますが、3年目になり心境の変化はありますか?
「上級生になってからはチームのこと、チームの勝利のためにということを一番考えるようになりました。そのためにも自分がシュートを決めるとか、自分の役割というのがあるので、それをしっかり遂行できるように努力しているという感じです。去年までは自分を点を取って活躍したいという考えもあったんですけど、それよりもチームが勝つこととか、自分が要所要所でスリーポイントを決めて、チームを波に乗らせるというように役割が少しずつ変わってきたかなと思っています。それを白鷗大戦に向けてはチームも個人的にもやってきていたので、力が発揮できて言ったと思います」
─昨年はチームとしては結果はふるいませんでした。そこからの反省や改善点は?
「個人的にはリーグ戦を通して波があったかなと思っています。良い時と悪い時の波があって、最後の方は自分にフェイスガードをされて、それで自分が何も対応できなかったというところがありました。チーム的には負けが続いている時にチーム全体で下を向く場面が多くなっていたんですけど、今年は悪い時もみんなで解決していこうというふうに言いあってます」
─一昨年が良いシーズンだった分、反省点もあるでしょうか。
「監督の幸嶋さんは、4年生が強いチームは強いというのをよくおっしゃっています。でもそこで4年生に頼ってはいけないのかなとも思っています。チーム全員でやることが強いチームだと思うので、今年はそれを目指して頑張っています」
─今年はメンバーもそんなに変わらず、やりたいバスケをできている感触ですか?
「そうですね。やりたいこととか、どんなプレーが得意だというのはしっかり把握できているし、新入生の長谷川君(#34)もサイズがあって、どのポジションでもできるので、自分もみんなもやりやすいと思います。この春に結果を出して、リーグ戦もいい形で入っていけたらと思います。明日も勝って終わりたいです」
─山本選手の強気なところが皆を引っ張っている部分もありそうですね。
「自分も駄目なときは駄目なんですが、自分の気分が下がったら終わりなので強気で。そこは大事にやっていきます」
【INTERVIEW】「最高のチームを作るために基本をやり続ける」新体制の中、ベストの形探しの途上/#4井上水都(日本大・4年・主将・SF)
今季、主将を務める。チームとして日本大学豊山高校の古川氏が中心となり、城間HCも含めて新たなスタッフ陣の中で新チームづくりに挑んでいる。
ベンチに入るメンバーはサイズ、キャリアともに豊富でポテンシャルを秘めているが、一方でどの組み合わせや形が良いのかを探る難しさがある。そのベストな形を見つけていこうとしているのが春の現在地。今大会は欠場しているエースガードの米須(#3)も含め、完成形に向けて「やり続けるだけ」という。
─最終戦を残しますが、今大会チームとしてはどんな風に感じていますか?
「目標もちろん印象だったんですが、昨日の大東文化大戦でスリーポイントがほとんど入らなくて負けてしまって、自分たちの中でも反省点や修正点がいっぱい出ました。シーズン最初に最終目標はインカレというのを決めましたが、その中でトーナメントやリーグ戦の試合を通して成長していこうというふうには話しています。だから今日の試合とか明日の試合もそうですが、どれもすごく大事な試合だと仲間の中では言い続けています。チームではメンバー構成とかいろんなチャレンジをして、トライアンドエラーをやっていこうという状況です」
─スタメンやどの組み合わせで使うか、というのはまだ模索中なんですね。
「玲音(#3米須)がシーズン前の手術でこの大会は出ないということは、もう最初から決まっていました。彼が戻って来たらまたメンバーが変わると思うし、全体でも全然定まっていなくて。練習の中でも試しながら、試合でも試しながらプレータイムをシェアして、インカレで一番のチームの形を作れていたらと思っています」
─日大豊山の古川先生が今季は指揮されているとか。
「城間さんがお忙しい中で、新体制に変わりました。古川さんは個人の役割をしっかり全うさせることを徹底させている方だなと思っています。シュートが得意だったり、ディフェンスが得意だったり、いろんな選手がいっぱいいますが、まず自分の仕事を100%やりきることでチームになり、勝ちにつながるというふうにおっしゃっています。一人一人が自分のやらなくてはいけないことを。徹底しようという感じです」
監督陣も色々とトライしながらやっていると思うので、そこがいつバチっとはまるかはまだ僕たちにもわかりません。でもやり続けることは変わらないと思うので、ディフェンスをやってリバウンドを取って走って、というシンプルですけど、やらなくてはいけないことを常に準備して、いつか最高の形になるまで我慢だなと思っています」
─今年はキャプテンとしてどのようなことを意識していますか?
「昨日の試合でスリーポイントをいいタイミングで打てたんですけど、そこを決めていればというシーンもありました。僕がシュートを一本、ディフェンス一本決められるか、頑張れるかというのがかなりチームに大きな影響を、いい意味でも悪い意味でも与えると感じています。だからこのトーナメントを通して、もっと成長しなくてはいけないなというふうに感じましたし。コート内外、どちらもリーダーシップを取らなくてはいけないなと思っています」
─メンバーも豊富ですが、チーム内ではバチバチやり合う感じなのでしょうか?
「バランスが難しいです。競争しながらもチームだから、味方がいいプレーをしたり、ハッスルしたところはみんなで褒め合って、チームとしていい方向に持っていかなくてはいけないよというふうに言っていて。その中でも競争も両立させていけるよう、言うようにしています」
─明日は神奈川大との最終戦です。
「神奈川大さんは勢いがあるし、ガツガツやってきます。1年生もサイズのある子がいますから、去年とは違う感じなので、そういうところも含めて楽しみな部分もありますし、チームとしてやることは変わらないので、しっかり戦いたいと思います」