関東同様に、この大型連休期間に関西でも関西選手権が進行中だ。5月4日に準決勝が終了し、明日はいよいよ決勝戦。対戦カードは昨年同様に京都産業大と天理大が戦うこととなった。昨年は宇都宮陸を擁する京産大が勝利し、リーグとの2冠への足がかりとしたが、その宇都宮が卒業した京産大は世代交代を迎えている。大型ルーキーを迎え入れた天理大が雪辱を果たすのか、京産大がプライドを示すのか、今季の関西を占う重要な一戦だ。

前半は僅差の競り合いも、天理大と京産大が2年続けて決勝へ
準決勝はともに前半は競り合いとなった。
第一試合、天理大と近畿大のゲームは、近畿大#0仁藤(4年・PG)、#49ジャンバルボ(4年・PF)が好調。昨年はリーグで下位に沈んだチームだが、内外でバランス良く加点し、準決勝の重圧を感じさせない。天理大は、高校時代にインターハイ制覇を経験し、いきなりスタメン起用の#77オルワペルミ(1年・C・日本航空山梨)が良い形でボールを持てず。得ていったフリースローでミスも目立ち、前半は2点リードに留まった。
しかし後半、近畿大はキーマンの#49ジャンバルボが連続でファウルを犯し、不穏な雰囲気に。これを尻目に天理大は#35宮下(4年・PG)が連続得点に、好ディフェンスを披露し流れを呼び込み、#77オルワペルミに豪快なダンクが飛び出すなどして2桁の点差に乗せた。3Q途中からは余裕ある試合運びで78ー55として快勝した。
第二試合の京産大対龍谷大は終盤まで行き詰まる攻防が続いた。立ち上がりに#31土谷(3年・SG)、定影(3年・PF)が3Pを沈め、龍谷大が先行。一時14ー7とした。#77ソロモン(1年・C・京都精華学園)の高さや#12太田(2年・SG)の個人技で追い付くが、抜け出せず、前半は第一試合同様2点差で京産大がリードする展開に。
後半に入ると#77ソロモン、#4片原(3年・PG)の得点で抜け出しかけるが、キーマンの#12太田が負傷交代。龍谷大は#10オーギル(4年・C)の聳えるインサイドを徹底的に守り、この時間帯も京産大についていく。しかし、勝負どころは京産大。交代出場の#22坂下が気を吐き、バスケットカウントなどで最後の流れを渡さず。龍谷大も諦めずに食らいつくが、88ー76とした京産大が押し切り、今年も決勝進出を決めた。
【COMMENT】「自分の持ち味のディフェンスは関西で一番だ、くらいの自信を持ってやっている」天理大#35宮下昂志(4年・PG)
「関西の新人戦で自分達の代は優勝していて、ジェリー(オルワペルミ)も入ってきたので、この全関は他を圧倒して1位を狙うこと。それと40分間自分達のバスケットを信じ切ること。今大会はそれをテーマにやってきている。
今日は前半で相手に合わせてしまって苦しい展開になってしまったが、ハーフタイムではコーチやチームメイトとで、あと20分は自分達のバスケットをしようと声を掛け合っていて後半に持ち直せたと思う。自分の持ち味はスタッツに残らないところで仕事をすることだと思っているので、ジェリーのところで得点が伸びない中、ジェリーに合わせてプレーをすることで得点が伸ばせたのかなと思う。昨日の試合ではジェリーが得点を伸ばせたが、絶対に対策をされることはわかっていて、自分達もジェリーに合わせていくことは練習していたので、そこはアジャストできて良かったと思う。自分の持ち味はディフェンスなので、そこは関西で一番だ、くらいに自信を持ってやっていこうと思っている。
京産には、自分が1年生の時の西日本インカレ決勝しか勝てていない。決勝だからこそというのもあるが、やはり京産には負けたくない。しっかり準備して臨みたい。チームとして最終的には『インカレで1位になる』ということは、ぶらさずに掲げている目標。それに向けて全関、西日本、リーグは全部勝ちたいと思っている」

【COMMENT】「メインガードとして出ている以上、去年以上に責任を持たないといけない」京都産業大#4片原飛斗(3年・PG)
「今日の試合については、前半は難しいことばかりしようとして、それが上手くいかない原因になってしまっていたと思う。そこで下級生が支えてくれて、後半はみんなに背中を押される形で少しずつ持ち味が出せていった。今日は周りに助けてもらった感じだった。
去年までは陸さん(宇都宮)の代わりに出ていく立場で、何かあれば陸さんがやってくれるだろうと他責の部分があった。今年は自分がメインガードとして出ている以上、去年以上に責任を持たないといけないし、3年生ということもあって、下級生に目を向けつつ先輩も支えないといけない。その立場で今日の試合のようになると、一試合を通じて良くない流れになってしまう。その点はすごく意識している。
練習では強度を上げることは意識していて、その慣れが試合にもつながると思う。そういう点で今年のチームは去年よりディフェンスは良いと自分自身では思っている。
天理は選手層が厚くて、どの選手が出てきてもレベルの高いディフェンス、オフェンスをしてくるし、ジェリーがチームの雰囲気を底上げしているように映る。出だしから今日のような入り方をすると飲み込まれると思うので気をつけていきたい。
今年に関しても、関西の3つのタイトルは全て取って、その上でインカレベスト4入りをチームの目標としている。全国の舞台というのは高校生の時にもウインターカップで経験しているが、それとは違う緊張感で硬くなる部分はあった。けれど思っていたよりも通用した部分が大きくて、自分はこれだけできるんだと手応えも感じられたし、全国の基準も分かったように思う。これまで対人練習で陸さんに相手してもらっていたが、今年入ってきた北村(#1)にはその基準で相手をする必要があると思っている。最初は北村も『もうやりたくないです』という感じだったが、今は切磋琢磨してやれている」
