【2021リーグ1部】「復帰をサポートしてくれたたくさんの方々に感謝」#11大倉颯太の帰還が東海大にもたらすもの(10/31)

2021リーグ

東海大学に背番号11が戻ってきた。

リーグ8戦目となる早稲田大戦、#11大倉(4年・G)はベンチからではなく、スターティング5としてコートに立った。公式戦としては8ヶ月ぶり、大学の試合では昨年12月のインカレ決勝以来となる姿だ。13分の出場で6得点。スリーポイントとフリースローは決まらなかったが、ドライブやディフェンスではかつてと変わらない動きを見せた。肉体的にはむしろ厚みが増したように感じられ、リハビリに真摯に取り組んできたことが、その姿からも伝わってきた。

コート上ではいつものポーカーフェイスだったが、試合後のインタビュー時に柔らかい表情が浮かんでいたのは、戻ってきた喜びのせいだったかもしれない。コートに戻った想いを尋ねると、安堵と感謝が口をついて出た。

「リハビリを乗り越えて良いコンディションで試合に出られたということに、安心しています。そしてコートに戻ったという以上に、僕の復帰をサポートしてくれたたくさんの方々に対して、良い報告ができるんじゃないかと嬉しく感じています」

復帰を果たし、気になるのはプレーだ。この日はまだ様子見のような動きも見られた。

「今日は100%でやるというより、少しアジャストする感じでやりました。でも手を抜いて勝てる相手ではないですし、チームとしてやらなければならないこともたくさんあるので、そこでファイトすることを意識したという感じです。とにかくやることは本当にたくさんあって、これから徐々に役割も増えるので、いいパフォーマンスをしていきたいと思っています」

まずは久しぶりの試合で感触をつかむこと、そして気負わずにやり、チームがやろうとしているプロセスの中に自分がいるということを意識したプレーだったようだ。「次の試合からは前と同じぐらいのパフォーマンスが見せられると思うので、期待してほしい」ということだが、そこまで自信を持って語れるほどにコンディションを整え、コートに帰ってきたことを喜びたい。

怪我は決して良いものではないが、多くの選手はそこから何かを感じる。大倉もそれは同様だ。自分以上に自分を気にかけて助けてくれる人がいたからこそ、自分が今ここにいるという実感がある。

「怪我をして見えたことがたくさんあります。自分一人ではちゃんと復帰することなんか無理でした。僕は怪我をする前よりもパフォーマンスが良くなるという確信を持って戻ってきたんですが、それは周りの人たちが自分の時間を割いて、僕のために色々やってきてくれたからです。だから下を向いてはいられません。ひたすら前を向かせ続けてくれた周りの人々に感謝するばかりです」

ディフェンスでの動きも健在だった。

復帰時期については、リーグ戦を目指してリハビリに取り組んできたという。前十字靭帯断裂の場合、基本的には約1年、早ければ10ヶ月ほどで戻ってくる選手もいる。リハビリが順調ならインカレでの復帰も可能だと見られていたが、目指していたのはもっと早い段階でチームに戻ることだった。

「周囲の人たちがみんなポジティブで、その方々のおかげで前を向くことができました。そこに本当に感謝しています。そして絶対にリーグ中に復帰してやろうと準備をしてきました。もちろん復帰したくてもMRIで膝に水が溜まっていたり、靭帯の成熟度が足りないとなると出られない状況だったんですが、今週の月曜日(25日)に試合に出てもいいということになりました」 

残り4試合での復帰。インカレではなくリーグ戦に間に合ったことは、いろんな意味で大きい。リーグ戦の優勝争いも、ここからが正念場だ。

チームとしては今シーズン、トーナメントでは決勝で破れ、このリーグ戦では1敗がついた状況だ。大倉はコートの外から、あるいは練習でチームを見てきたが、「成長は見える」という。

「チームの成長は感じています。ただ、ずっとうまくいくということはなく、壁に当たっている時期もありました。でもそれをみんなで乗り越えてきたという感覚は強くあります。僕たちは天皇杯に出場し、Bリーグのチームと戦うことを目標にしてきました。それは結果的に叶いませんでしたが、ただそうやって目指すところはぶらさずに、大学レベルではしっかり勝って、Bリーグとやりあえるレベルのチームを作りたいと思っています」

「現状に満足せず、上を見る」。考えているのはそれだけだ。1年の頃から言い続けてきた「目指すバスケット」を、大学4年目の集大成として仲間やスタッフとともに表現して欲しい。

大倉の復帰がまだ内々の予定だった段階で、#5河村(2年・PG)に大倉が復帰したらと尋ねると、「彼が戻れば負けないと思う。彼が戻ってきたら安心して、ゆっくりバスケをします」と答えたが、おそらくそれは冗談だろう。この先は、2人だからこそ生まれるケミストリー、そして東海大だからこそできるバスケットを、チームとして見せてくれるに違いない。

大倉の復帰でピースは全て揃った。

他チームはこれまで以上に警戒するだろうし、東海大は強力な武器を得てさらに上を目指す。
大学バスケのシーズンは、ここからが最も面白い時間となりそうだ。

ハドルを組めば常に大倉がしゃべっている。以前からおなじみの光景が戻ってきた。
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